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FIA、開幕戦のアロンソの衝突データを公表

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2016年6月9日 « アロンソ、2017年マシンの感触で進退を決定 | F1にアゼルバイジャンの人権問題への関与を要求 »
© Kalisz/Sutton
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今年の開幕戦オーストラリアGPで起きたフェルナンド・アロンソの事故に関してFIAが詳細なデータを公表し、ドライバーにどれほどのGがかかっていたかが明らかになった。

アロンソはアルバート・パークのターン3でエステバン・グティエレスのハースを時速300km超でオーバーテイクしようとしてマシンのリアに追突した。衝突後、彼のマシンはコースサイドのウオールに激突し、マシンは宙を舞って回転しながらストレート終わりのグラベルに飛び込んでいった。アロンソは自力で事故現場を立ち去っており、肋骨(ろっこつ)の骨折というけがで済んでいる。現代F1マシン安全性が示されたといえる。

耳につけた加速度計とドライバーの頭部に向けられた新しいハイスピードカメラの組み合わせによって、FIAはこの事故に関して多くのデータを収集した。彼らは季刊誌『Auto(オート)』の最新号で事故の詳細な計測データを公表している。

「マクラーレンのドライバーは、メルボルンのアルバート・パーク・サーキットのターン2と3の間でエステバン・グティエレスのハースF1マシンの後部に追突した」と記事には書かれている。「彼はオーバーテイクを開始した際に時速313kmで走行しており、フロントホイールがグティエレスのマシンの左リアホイールと接触した衝撃が生じる時点では時速305kmとわずかに減速していた」

「最初の衝撃後、アロンソの右フロントサスペンションは破壊されており、マシンは進行方向を外側のウオールへ変えた。ウオールと衝突したのはマシンの左フロント部分で、横へのピーク減速レベルは45Gに達した。また、耳の加速度計の記録より、ドライバーの頭部に大きな加速が加わったことも記録されている」

© Kalisz/Sutton
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「100分の1秒ごとにドライバーをとらえているハイスピードカメラの映像から、アロンソのヘルメットはヘッドレスト左のインサイドフェースに2回ぶつかっていることが分かっており、耳の加速度計データにも2度のピークが示されている」

「マシンは跳ね返され、サーキットに沿ってグラベルトラップに向けて滑っていった。この時点で左フロント、右フロント、左リアのサスペンションが破壊されていたマシンは、大きく左に傾きながら芝の上を通過した。この左サイドがグラベルに埋まってマシンを横転させ、宙に舞い上がったことで横に46Gの減速が記録されている。

「この間にマシンはおよそ540度(1.5回転)しており、0.9秒間宙を飛んでいた。着地で最初に地面に接触したのはリアの衝撃吸収構造で、縦のピーク加速度は20Gだった。マシンはその後リアを中心に回転してから落下し、タイヤバリアの直前でエンジンカバーの左側を下に停止した」

「アロンソは自力で歩いてその場を離れた」

© Gasperotti/Sutton
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同誌の記事は事故を理解する次の段階として、ドライバーの心拍数や発汗レベルを測るバイオメトリックデータを集めたいと説明している。

「シーズン末までに、少なくともテストでドライバーに何かをつけさせたいと考えている」とFIAグローバル・インスティテュートのゼネラル・マネジャー・リサーチを努めるローレン・メキースは語っている。「バイオメトリックデータは救助作業を行うにあたり、クラッシュ時とクラッシュ後のドライバーの状態を判断する助けになるはずだ」

また、ドライバーの体にかかる負荷を詳しく調べるために、ハイスピードカメラを増やすことも計画されている。

「明日からできることは多くある――例えば、安全ベルトによってドライバーの上体にかかる負荷がどれくらいかを測定することも考えられる」とメキースは付け加えた。「安全に関わる研究に終わりがないのと同じように、これは終わりのない作業だ。われわれはそれをより深く理解するために引き続き限界をプッシュしていく」

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