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ビアンキの父、「ハローは完全な対策ではない」

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2016年3月4日 « 「少し認識が甘かった」とハース | 「どんなに格好悪くてもいい、命を守れるなら」 »
© Sutton Images
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新しいハローデバイスを見たジュール・ビアンキの父、フィリップ氏は、これが十分な対策だとは考えておらず、F1の代表者たちはコックピットの安全対策に"もっと踏み込むべき"だと発言した。

3日(木)の朝、F1で初めてハローシステムを使って走行したドライバーとなったのはキミ・ライコネンだった。

ハローは中心の1本の支柱に支えられたバーがドライバーの頭部を囲み、飛んでくるデブリから彼らを守るように設計されたもの。2009年に起きたヘンリー・サーティースのような死亡事故を防ぐことを想定している。

ヘンリーは1964年のワールドチャンピオンであるジョンの息子。ブランズ・ハッチで行われたF2のレース中に脱落したタイヤが彼のヘルメットを直撃し、命を落とした。

F1ドライバーだったビアンキも、レース中に受けた頭部のけがによって亡くなっているが、ビアンキの事故は頭部の保護があっても結果を変えることはできなかったという調査結果が出ている。

フィリップ氏は、ハローデバイスではオープンコックピットの危険性をすべてなくすことはできないと語り、F1の統括団体であるFIAに対して、ドライバーの安全のためにもっと動いてほしいと訴えた。

「安全面では、これも確かに一歩なのだろう」とフィリップ氏はフランス放送局『Canal+(カナル・プリュス)』に述べた。「ホイールが外れた場合などにこのシステムが有効なのは明らかだ」

「しかし、フェリペ・マッサやジャスティン・ウィルソン(昨年事故死したインディカードライバー)のケースのような小さなデブリだと、これでは何も変わらない。一歩前進ではあるが、すべてを解決するものではない」

このコンセプトがあったとしても、2014年の10月に鈴鹿で起きた事故から息子を救うことはできなかったと彼は述べた。

「ジュールの場合、彼の脳にダメージを与えたのは強烈な減速だったことが分かっているので、何も変わらなかっただろう」とフィリップ氏は述べた。「例えば、急激な減速による激しい衝撃を吸収するようなHANSシステムの開発がこの場合は向いているのではないか」

「ドライバーに少しでも安全をもたらすものに私が反対などするはずがないが、今回のバージョンのハローシステムには確信が持てないし、改良が必要だろう」

「美的にもかなり悪く、ドライバーから見てどんな状態なのか心配だ。FIAはジュールとジャスティンの事故を受けて行動することを望んだが、もっと踏み込むべきだ」

マッサが2009年のハンガリーGP予選中に他車から脱落したスプリングに当たって一時意識を失った事故を受け、FIAはこうしたデブリからドライバーを守ろうと複数のデザインの保護デバイスを検討してきた。

F1レースディレクターのチャーリー・ホワイティングは今年になってから、FIAが来シーズンまでに確実にハロー――もともとはメルセデスが考案したデザイン――を導入する考えだとチームに通達している。

「ハローは、F1のレース統括団体であるFIAが考える好ましいソリューションとして検討されている複数のドライバー頭部保護システムの1つだ」とライコネンのテスト走行後にF1公式サイトは発表した。

ドライバーの近くに1本の支柱を立てることで、視認性への影響を最小限に抑えられるとFIAは述べている。ドライバーの大半は頭部の保護に賛成しているが、ハロー型にはパドック内にも疑問の声がある。

「オープンコックピットというこれまでのF1の伝統から離れてしまわないように注意する必要がある」と今年ルノー・スポールF1チームからグランプリデビューするジョリオン・パーマーは述べた。

「ドライバーを識別できることは重要だよ。それはスポーツ的にもいい点だと思うんだ。ただクルマがぐるぐる回るんじゃなくて、少なくともドライバーは見えた方がいい。そこは慎重に考えてほしいね。今の形状は不満だよ」

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