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ビアンキの受けた衝撃は254G

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2015年7月23日 « ザウバー、エリクソンとナッサーの残留を発表 | ドイツGPの中止、"理解できない"とシュトゥック »
© Sutton Images
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ジュール・ビアンキの2014年の日本GPでのクラッシュに関する新たなデータが明らかになり、ドライバーは当初考えられていた3倍の大きさにあたる254Gの衝撃を受けていたことが判明した。

重機との衝突によって頭部に重傷を負ったビアンキは17日(金)に死去した。この事故についてFIAは新しいワールド・アクシデント・データベースで新たな調査結果を公表している。

ドイツ誌『Auto Motor und Sport(アウトモートア・ウント・シュポルト)』が独占的に公開したマルシャのアクシデント・データ・レコーダー(ADR)の結果によると、ビアンキはウエットコンディションで時速213kmでマシンのコントロールを失い、それから2.61秒後に重機に衝突している。その間に時速126kmまで減速していた。

重機とマシン自体が当たった衝撃は58.8Gだった。しかし、ビアンキは55度の角度で重機に当たっており、これが通常のクラッシュよりひどい事故につながってしまった。マシンが6.8トンの重機の下に潜り込む形となったためだ。

当初のデータで、重機との衝突時にビアンキのイヤープラグに記録されていたピークインパクトは92Gとされていた。しかし、イヤープラグは決定的瞬間に外れてしまっていたとFIAは考えており、実際のピークインパクトは254Gだったと考えられる。

比較として、2月のプレシーズンテスト中にバリアにクラッシュし、脳振とうを起こしたフェルナンド・アロンソが受けた衝撃は25Gだった。

FIAの安全委員会副会長のアンディ・メラーは同誌に次のように述べた。「問題は、マルシャが部分的に重機の基部の下に潜り込んでしまったことだ。これによって重機の底面によって上から圧迫されてしまった。それは急激な減速をしたブレーキのような働きをした――この課程でヘルメットと重機の接触が起きた。このようなことは今まで見たことがない」

安全委員長のピーター・ライトは、ビアンキの事故をFIAが予見することはできなかったと考えており、統括団体は"最小の項目に至るまで"調査を尽くしたと述べている。

「起きてしまった事故から学ばなければならないケースが今でもしばしばある――ビアンキがその例だ」とライトは述べた。「これはわれわれが事前に想像することのできないシナリオだった。だからこそ、この事故を最小の項目に至るまで調査し尽くすことが非常に重要だった。一つの分析にこれほど時間と努力を注いだことはない」

ビアンキの事故を受けて、FIAはすでにいくつかの安全対策を導入している。コックピットの頭部の保護が改善され、2015年にはバーチャル・セーフティカー・システムが導入された。実際のセーフティカーは出動しないが、コース上に回収車が出るような場合にデルタ速度を指定してマシンをスローダウンさせるシステムだ。

12月に発表された当初の調査結果で、FIAはビアンキの事故をきっかけに持ち上がっていたクローズドコックピットでは彼のけがを軽減することはできなかったと説明している。今回の衝突ではあまりにも巨大な力が加わっていたためだ。

この点に関して、ライトは次のように付け加えた。「屋根があればマシンは止まっていたかもしれない。だが、頭部が重機に当たらなかったとしても、屋根に当たることによって同じ結果になってしまっていただろう」

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