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  • エマーソン・フィッティパルディとの出会い

アラン・ヘンリーの回想録 その3

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2010年4月15日
アラン・ヘンリーとフィッティパルディの出会いは1969年のことだった © Sutton Images
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モータースポーツジャーナリストのアラン・ヘンリーがエマーソン・フィッティパルディとの出会いの日々を振り返ります。

【アラン・ヘンリー】

1969年のイースターの週末、私は母のルノーR8に乗り込み、ドーバーへ向かった。『Autosport(オートスポーツ)』から50ポンドの軍資金を得た私は、南ベルギー、シメイの高速ロードサーキットで行われるF3インターナショナルを取材することになっていた。グランプリ・デ・フロンティエという立派な名称を持つこのレースは、1926年から開催されている重要なレースだ。地元のビジネスマンで、1977年に85歳で亡くなったジュール・ビュイセレが始めたもので、さまざまなサポートイベントが行われていた。私が訪れた時にはまだ比較的新しかったフォーミュラ・フォードのカテゴリーも含まれていた。

F3イベントは、スイス人ドライバーでテクノに乗るジャン・ブランがブラバムのシド・ウィリアムズ、同じテクノのピーター・ゲイドンを抑えて勝利。その合間に私はピット裏の牛ふんだらけの間に合わせのパドックで、満面に笑みを浮かべた若いブラジル人に自己紹介をした。彼はフォーミュラ・フォードのイベントでマーリンMk 11Aを走らせていた。

それこそがエマーソン・フィッティパルディだった。彼がサンパウロからヨーロッパに来てまだ数カ月という時期だ。レースは彼と、ロータスに乗る地元のクロード・ボルゴーイグニ、クロッスルのゲリー・ビレルの三つどもえの戦いになり、エマーソンは2人に続く3位でフィニッシュした。彼が将来を約束された若きドライバーであることは明白で、シメイの高速コーナーでマシンを操るさまからは、その勇敢さがうかがえた。わずか3年後、彼はロータス72でワールドチャンピオンに輝く。

1971年、ロータスのドライバーとなったことで彼が勢いに乗り、勝利を重ねることが期待されたが、ロータス72の開発問題やシーズン半ばの交通事故の影響などが重なり、チャレンジは失敗に終わった。だが、1972年のエマーソンを止めるものは何もなく、ブラック&ゴールドのJPSロータスはスペイン、ベルギー、フランス、イギリス、イタリアと勝利を積み上げ、彼を当時史上最年少の25歳でワールドチャンピオンに導いた。

1973年はF2時代からの強力なライバル、ロニー・ピーターソンとペアを組んだ。フィッティパルディ3勝、ピーターソンは4勝したが、お互いにシーズンの大半でポイントを奪い合った結果、ドライバーズタイトルはジャッキー・スチュワートに奪われてしまった。モンツァでピーターソンに譲らせなかったとして、ロータス代表のチャップマンに不信感を抱き、背信行為だと感じたフィッティパルディは、ライバル、マクラーレンからの誘いを受けるしかないと判断し、1974年に電撃移籍。

1979年、コパスカー・フィッティパルディを操るエマーソン © Sutton Images
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優れたマクラーレンM23に乗ったエマーソンはブラジル、ベルギー、カナダGPで勝利し、2度目のタイトルを獲得。翌1975年の選手権でもフェラーリのニキ・ラウダに次ぐ2位でフィニッシュし、F1での最後の勝利をシルバーストーンのイギリスGPで飾っている。

1976年、フィッティパルディはオール・ブラジル・チームのコパスカーF1に移籍し、F1界を騒然とさせる。チームは彼の兄ウィルソンが前年に立ち上げたものだった。ある意味、エマーソンはF1のキャリア終盤を最も長く不遇の形で過ごしたドライバーともいえる。コパスカーは技術力にも組織力にも欠けており、F1でのフィッティパルディの名声は下降の一途をたどった。

1度は輝かしいキャリアを築きながら、F1におけるエマーソンの最後の経歴は寂しいものだったが、それでも彼はアメリカのレーシングシーンで見事復活を果たし、インディアナポリス500で2度の勝利を挙げた。

アラン・ヘンリー 【2010年2月9日】

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