ダニール・クビアト ロシア連邦
Year | Car | Race | Start | Won | Pod | Class | Best | Pole | Front | Best | Lap | Hat | Pts | Pos | ||||
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2014 | Toro Rosso | 19 | 19 | 0 | 0 | 14 | 9 | 0 | 0 | 5 | 0 | 0 | 8 | 15 | ||||
2015 | Red Bull | 19 | 19 | 0 | 1 | 16 | 2 | 0 | 0 | 4 | 0 | 0 | 95 | 7 | ||||
2016 | Red Bull, Toro Rosso | 21 | 21 | 0 | 1 | 15 | 3 | 0 | 0 | 6 | 1 | 0 | 25 | 14 | ||||
2017 | Toro Rosso | 15 | 15 | 0 | 0 | 10 | 9 | 0 | 0 | 8 | 0 | 0 | 5 | 19 | ||||
Total | 74 | 74 | 0 | 2 | 55 | 2 | 0 | 0 | 4 | 1 | 0 | 133 |
グランプリ | サーキット | 開催日 | ||
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デビュー戦 | オーストラリアGP | アルバート・パーク | 2014年3月16日 | レース結果 |
ラストレース | US GP | オースティン | 2017年10月22日 | レース結果 |

他の多くのドライバーと同様にカートからモータースポーツの世界に入ったダニール・クビアトは2010年にシングルシーターデビューを果たし、レッドブルの支援を得てフォーミュラBWMヨーロッパに参戦した。ルーキーイヤーに欧州で真の輝きを披露することはなく、ベストリザルトはモンツァの2位だったが、パシフィックシリーズではマレーシアで2度の勝利を上げている。
フォーミュラ・ルノー2.0にステップアップした後はカルロス・サインツをチームメイトとして戦ったユーロカップで2度優勝。また、ニュージーランドでトヨタ・レーシング・シリーズのランキング5位につけた。もう1年をフォーミュラ・ルノー2.0で戦ったクビアトはストフェル・バンドールンに次ぐランキング2位に入り、初年度よりはるかに実りあるシーズンを過ごす。フォーミュラ・ルノー2.0アルプス選手権でも勝利した。
レッドブルはクビアトの次の進路としてフォーミュラ・ルノー3.5ではなくGP3を選ぶ。シーズンを通して急速な成長を見せたクビアトはチャンピオンシップを7ポイントリードした形で最終戦を迎えた。クビアトはGP3と並行してヨーロッパF3選手権にも参加。5回のポールポジションと7度の表彰台を記録したのに加え、ザントフォールトでは優勝を飾っている。
2013年のパフォーマンスを見たレッドブルはクビアトを早くもF1の舞台に昇格させることを決め、ダニエル・リカルドに代わる2014年のトロ・ロッソドライバーに指名している。この発表後、クビアトはアブダビでGP3タイトルを手中にした。
F1シーズンに初挑戦した当時は19歳だったにもかかわらず、クビアトは即座に印象的な走りを披露する。信頼性に問題を抱えるトロ・ロッソマシンを駆りながらも、マシンのパフォーマンスを最大限に引き出したレースでは好結果を残した。その活躍に魅了されたのがレッドブルだ。鈴鹿でセバスチャン・ベッテルが電撃離脱を発表すると、レッドブルはその後継者にクビアトを指名した。
晴れてトップチームに移籍したとはいえ、折り悪くレッドブルはV6ターボ時代に出遅れ、2015年はさらなる苦戦の1年を過ごす。ルノー製パワーユニットの信頼性およびパフォーマンスの不足により、序盤戦から本来の力を出せずにいたクビアトの一方で、トロ・ロッソを駆る後輩たちが活躍したことも相まって、レッドブルが1年限りでクビアトを放出するのではないかとのうわさまでささやかれた。しかし、シーズンが進むにつれてクビアトはその真価を発揮していく。次第にチームメイトのダニエル・リカルドに劣らぬスピードを示しだすと、第10戦ハンガリーGPではリカルドの3位をしのぐ2位フィニッシュを達成し、F1初表彰台を記録。ポディウムに登場したのはこの1回のみだったが、最終的なランキングは7位に食い込み、8位だったリカルドを3ポイント上回っている。
チームの一員たるに相応しい力を証明し、2016年もリカルドとともにレッドブルにとどまったクビアトだが、第4戦ロシアGPでセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)に2度追突した上に、もう1台のレッドブルを駆るリカルドにも被害を与えてしまう。レッドブルドライバーとして活動することがクビアトのプレッシャーになっていると考えたチームは、第5戦スペインGPからクビアトを古巣トロ・ロッソに移動させ、代わってマックス・フェルスタッペンがレッドブルのレースシートに座ることになった。この衝撃の交代劇以降、新たな僚友であるカルロス・サインツが入賞を続ける一方、クビアトのパフォーマンスはかつてないほどの不調に陥る。終わりの見えない苦戦の中で重圧と戦い続けたクビアトは夏休み後にようやく調子を取り戻し、10月にはトロ・ロッソ残留が決まった。クビアトはこの激動のシーズンをランキング14位で終えている。
しかし、2017年もいばらの道がクビアトを待ち受けていた。開幕戦で9位入賞を果たしたクビアトは3戦連続でポイントを逃した後、シーズン第5戦スペインGPでグリッド最後方から再び9位に入ってみせたものの、以降は長くノーポイントのレースが続く。クビアトが本来のパフォーマンスを発揮していないと判断したトロ・ロッソはシーズン第15戦マレーシアGPと第16戦日本GPの連戦でクビアトをラインアップから外し、ピエール・ガスリーにレース参戦のチャンスを与えた。シーズン第17戦US GPでは、チームメイトのサインツが2018年のレンタル移籍先であるルノーに一足早く移り、ガスリーが王座の懸かった全日本スーパーフォーミュラ選手権最終戦に参加するため、ブレンドン・ハートリーとのコンビでクビアトが戦線に復帰する。だが、翌戦のメキシコGPを前に、以降はガスリーとハートリーを起用するというトロ・ロッソの新体制が発表され、クビアトは完全にシートを喪失してしまった。
レッドブルのプログラムからも外れたクビアトは2018年、フェラーリの開発ドライバー役割を得ていたが、トロ・ロッソのドライバーが一新されることに伴い、2019年のレギュラードライバーとしてF1の世界に復帰する。
【長所と短所】
際立ったスピードの持ち主であるクビアトは、マシンの中で若さとは裏腹な冷静さを発揮する。若手ドライバーとして直していくべき欠点があるのはクビアトも例外ではないものの、将来のスターになるためのあらゆる素質が備わっている。
【キャリア最高の瞬間】
デビュー後わずか14戦で、4度のワールドチャンピオンであるベッテルの後釜として2015年のレッドブルドライバーに選ばれたこと。デビューシーズンにおけるコース上でのハイライトは、ホームレースのロシアGP予選で5番手につけたこと。
【キャリア最低の瞬間】
2016年の第4戦が終わった段階でレッドブルのシートを失い、トロ・ロッソに移動させられたこと。クビアトと交代でレッドブルに加入したマックス・フェルスタッペンが大活躍したのとは対照的に、クビアトはしばらくの間かなりの不調に苦しめられた。
【トリビア】
クビアトは英語、スペイン語、イタリア語、ロシア語の4カ国語に精通している。
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2019年2月20日 ![]() STR14の開発プログラムに取り組むクビアト © Dan Istitene/Getty Images |
2019年2月20日 ![]() コックピットで待機するクビアト © Peter Fox/Getty Images |
2019年2月20日 ![]() ガレージを出発するクビアト © Peter Fox/Getty Images |
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