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ハミルトンが逆転勝利、ボッタスとベッテルが表彰台

Jim
2019年4月14日
© GREG BAKER / AFP
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14日(日)、上海インターナショナル・サーキットで2019年FIA F1世界選手権第3戦中国GP決勝レースが開催され、スタートで逆転したメルセデスのルイス・ハミルトンが今季2勝目を挙げた。

土曜日の予選はメルセデスコンビが接戦のバトルを繰り広げ、僚友よりも0.023秒速くラップをまとめたバルテリ・ボッタスがポールポジションを獲得。ハミルトンがフロントローを確保し、フェラーリのセバスチャン・ベッテルとシャルル・ルクレールが2列目に並んだ。

土曜フリー走行でクラッシュを喫し、予選に参加できなかったトロ・ロッソのアレキサンダー・アルボンはマシン修復を終え、レース出走も許可されたが、パワーユニットの交換を含むマシン再建に伴ってピットレーンスタートとなっている。また、予選Q1でトラブルに見舞われてノータイムに終わったアルファロメオ・レーシングのアントニオ・ジョビナッツィは最後列からレースに臨んだ。

上海の"上"の字をかたどったデザインが特徴の上海インターナショナル・サーキットは超ロングストレートを誇る全長5,451kmのコース。ピレリは上海にC2からC4のコンパウンドを持ち込んでおり、レース用タイヤとしてC3のミディアムもしくはC2のハードタイヤを使用することが義務付けられた。トップ5ドライバーは予選Q2をミディアムタイヤで突破しており、残るトップ10ドライバーはユーズドのソフトタイヤでスタートに臨んでいる。11番手から18番手までのドライバーが新品のミディアムを第1スティントに選び、最後列のジョビナッツィとピットスタートのアルボンがソフトタイヤを履いた。

全56周で争われたレースは上空が灰色の雲に覆われる中、気温19.5度、路面温度29度、湿度44.5%のドライコンディションでスタート時刻を迎え、フォーメーションラップでウィリアムズのロバート・クビサがスピンを喫してしまったが、なんとか体勢を整えてグリッドに着いている。

緊張のスタートではハミルトンが好発進を決め、ターン1を先頭で通過してボッタスが2番手に後退。ルクレールがベッテルをかわして3番手に上がった。後方ではトロ・ロッソのダニール・クビアトがオーバーステアに見舞われてマクラーレンの2台と交錯するインシデントが発生し、マクラーレン勢がコースを押し出されてポジションを落としている。

特にランド・ノリスは接触の衝撃でマシンがはずみ、マシンとタイヤに激しいダメージを受けたものの、走行は続けられたようでカルロス・サインツと共に緊急ピットインしてノーズとタイヤを交換し、隊列に復帰した。マクラーレン勢はミディアムからハードタイヤに履き替えている。

スタート直後のインシデントでコース上にデブリが散らばったため、一時バーチャルセーフティカーが発令されたが、デブリの撤去と同時に解除された。レースが7周目に入った頃、接触を引き起こした責任を問われてクビアトにはドライブスルーペナルティが科せられている。

スタートでリードを奪ったハミルトンがボッタスよりも0.2秒ほど速いペースで少しずつ引き離す一方、ボッタスの2秒後方ではフェラーリがコンマ数秒差のチームメイトバトルを繰り広げる。ただ、ラップタイム自体はルクレールの方が若干速く、フェラーリのピットウオールがポジション入れ替えの指示を飛ばすことはなかった。

タイトな中団グループではアルファロメオ・レーシングのキミ・ライコネンが好ペースを披露し、13番グリッドから臨んだオープニングラップで1つ順位を上げた後、5周目に入る頃には10番手につけて前を行くニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)に迫った。オーバーテイクが可能な上海のコースでリアにピタリとつけたまま数周、ストレートでサイド・バイ・サイドに持ち込んだライコネンがコーナー手前でヒュルケンベルグに対する追い抜きを成功させ、9番手に浮上している。

その頃、フェラーリがついに苦渋の決断を下し、ルクレールに「セバスチャンを先に行かせよ」と伝える。ルクレールはやや抵抗を見せたものの、次のコーナーにはベッテルに道を譲ってポジションを入れ替えた。とはいえ、ルクレールのラップタイムはベッテルに引けを取らず、遅れることなく、時にはコンマ数秒差の位置に接近することもあった。

第1スティントにユーズドのソフトタイヤを履いた面々が早い段階でタイヤ交換に向かい、8周目の終わりにピットストップを敢行したハースF1のロマン・グロージャンは4周遅れてピットインしたヒュルケンベルグのアンダーカットに成功してルノーの前に出ている。グロージャンとケビン・マグヌッセンのハースF1勢とヒュルケンベルグはいずれも第2スティントにハードタイヤを選んだ。

しかしながら、ヒュルケンベルグは5周を走って再びピットに舞い戻り、今度はリアからマシンをガレージに入れてしまう。

上位勢で最初に動いたのはレッドブル。フェルスタッペンをピットに呼び入れ、ハードタイヤを履かせてコースに送り出した。フェルスタッペンはセルジオ・ペレス(レーシング・ポイント)のすぐ後ろ、ライコネンの目前でコース復帰している。次のラップにはフェラーリがベッテルのタイヤ交換を完了し、フェルスタッペンの前で隊列に加わったが、硬めのコンパウンドとはいえ先にタイヤが温まっていたフェルスタッペンにヘアピンへの飛び込みでオーバーテイクを仕掛けられる。ハードブレーキングを強いられたフェルスタッペンが一度は前に出るも、ベッテルが抜き返してポジションを死守した。

22周目に入るタイミングでピットインしたボッタスがミディアムからハードに履き替えた次の周回にはハミルトンも最初で最後のタイヤ交換を終えている。同時にピットレーンに入ってきたルクレールはベッテルとフェルスタッペンが通過した後にコースに戻った。この時点でラップリーダーの座はハミルトンがキープし、1.7秒後方にボッタス、3番手のベッテルはメルセデス勢に6秒以上離され、フェルスタッペンがベッテルから3秒ほど後方に控えた。ルクレールはハミルトンから21秒、フェルスタッペンからも10秒以上遅れていた。

ライコネン、クビアト、クビサが第1スティントを長く走り、ライコネンとクビアトは25周を走って最初で最後となるピットストップを完了。クビアトは序盤に一度ピットレーンに戻っているが、ドライブスルーペナルティを消化しただけでタイヤはスタートと同じものを履き続けていた。クビサはさらに2周多く走行してハードタイヤに履き替えている。

ライコネンは再びグロージャンの後方に甘んじてしまったものの、フレッシュタイヤの利点を生かしてオーバーテイクし、9番手に上がって4秒ほど前にいたペレスを追いかけた。クビアトはハードタイヤでの走行をわずか5周で切り上げ、レースが折り返し地点を過ぎた後にソフトタイヤを投入している。

メルセデスやフェラーリが1分37秒半ばのペースを維持する一方、レッドブルは1分38秒台に落ち込んでおり、フェルスタッペンは徐々にベッテルに遅れ始め、後方からはルクレールに接近を許した。6番手を走っていたガスリーは前のルクレールと17秒以上、後方のダニエル・リカルド(ルノー)とは26秒以上のギャップがあり、時折、周回遅れに対応するだけで単独走行が続く。

ペースが上がらない状況を打破すべく、レッドブルが35周目にフェルスタッペンをピットに呼び入れてミディアムの新しいセットに履き替えさせると、フェラーリがこれに反応し、次のラップでベッテルがミディアムタイヤに交換する。この時点でベッテルとフェルスタッペンのギャップは8.4秒ほどあった。さらにメルセデスがダブルストップを敢行してハミルトンとボッタスのタイヤ交換を同じタイミングで実行している。

タイヤ戦略の異なるルクレールがメルセデスの間に入る格好となり、ボッタスが接近するもルクレールがうまく防御して前に行かせない。その間にも好タイムを連発していたベッテルが接近しており、ボッタスはできるだけ早くルクレールを追い抜く必要があった。結局、ストレートでサイド・バイ・サイドに持ち込んでフェラーリの前に出たボッタスはクリーンエアを得て本来のペースを引き出しにかかった。

残り15周を切ってベッテルに接近されたルクレールはチームメイトに道を譲ったその足でピットに入り、ミディアムタイヤに交換してコース復帰。その間にフェルスタッペンが4番手に上がり、ルクレールはレッドブルから14秒遅れた位置で逆転を狙った。ライバルたちと異なる戦略を取ったにもかかわらず、ペースが上がらなかったルクレールはギアのトラブルだと訴えたものの、チームからはギアボックスに問題なしとの回答がもたらされている。

終盤に接近戦を繰り広げたのは7番手につけていたリカルドとペレス、ライコネンの3人。1ストップ戦略を採用した3人は1秒からコンマ数秒の間隔で連なり、中でも一番タイヤの新しかったライコネンがペースでは上回っていたものの、2台抜きのチャンスは乏しく、ペレスがうまく防御してポジションを守っていた。

チェッカーまで4周となったタイミングでピットに帰還したノリスはそのままガレージに入ってリタイアを喫している。その2周後、レッドブルがガスリーのタイヤをソフトに交換。今年から入賞者でファステストラップを記録したものにはファステストラップポイントが与えられることになっており、レッドブルとガスリーはその1点を取りに行ったようだ。ガスリーは期待通りに1分34秒742をたたき出し、ファステストラップを記録してファイナルラップに臨んでいる。

56周のバトルを終えてハミルトンがトップチェッカーを受け、ボッタスが2位、ベッテルが3位でゴールした。4位以下、入賞はフェルスタッペン、ルクレール、ガスリー、リカルド、ペレス、ライコネン、ピットスタートだったアルボンがグロージャンのプレッシャーを振り切って最後の1点をもぎ取っている。

もう1台のトロ・ロッソを駆るクビアトは44周目にマシンをガレージに入れて戦線離脱した。

次回、シーズン第4戦アゼルバイジャンGPは26日(金)に開幕し、初回セッションである金曜フリー走行1回目は日本時間18時にスタートすることになっている。

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