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ハミルトンが今季初勝利で7人目のウイナー誕生

Jim
2012年6月11日
ポールスタートも1ストップ戦略が成功せず4位に甘んじたベッテル © Press Association
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10日(日)、ケベック州モントリオールに位置する非常設コースのジル・ビルヌーブ・サーキットを舞台に2012年FIA F1世界選手権第7戦カナダGP決勝レースが開催された。現地カナダ東部と日本は13時間の時差があるため、レースが始まったのは日本時間11日(月)3時。全長4.361kmのコースを70周で争う。

土曜日に行われた予選では接戦の上位勢の中でも唯一1分14秒の壁を破ったレッドブルのセバスチャン・ベッテルがポールポジションを獲得。隣のフロントローにはルイス・ハミルトン(マクラーレン)が並び、フェラーリのフェルナンド・アロンソとレッドブルのマーク・ウェバーが2列目からレースをスタートさせた。

決勝レースに先立ち、予選Q2でウオールにぶつかるアクシデントに見舞われたウィリアムズのパストール・マルドナドがギアボックスを交換したため、5グリッド降格ペナルティが科せられている。予選17番手だったマルドナドは22番グリッドに着いた。

決勝日も晴れ間が広がったモントリオール。気温27度、路面温度45度のドライコンディションで24台がフォーメーションラップに臨んだ。

オーバーテイクが可能なコースとはいえ、他のサーキット同様にスタートが重要なレースであることに変わりはない。各車がグリッドに並び、緊張のひとときを経て始まったレースはポールシッターのベッテルが先頭をキープ。上位勢に大きなポジション変化はなく、下位グループも順当にそれぞれの戦いを始めた。

オープニングラップの終盤からニコ・ロズベルグ(メルセデス)とフェリペ・マッサ(フェラーリ)が接近戦を展開し、2周目の最終コーナー手前でマッサが追い抜きを成功させて5番手に浮上している。ロズベルグは走り出しに苦戦しているのか、DRS使用が許可されてすぐにフォース・インディアのポール・ディ・レスタにもかわされてしまう。

ディ・レスタ以降の後続勢に4秒近い差を築いていたマッサは6周目のターン1で単独スピンを喫し、小林可夢偉(ザウバー)の真後ろ12番手でコース復帰した。モナコGPから復調の兆しを示していただけにもったいないミスだ。

先頭のベッテルを含め、ハミルトンとアロンソの3人は同じようなペースで周回を重ね、アロンソから約4秒後方の4番手を走るマーク・ウェバー(レッドブル)は上位3台よりも0.5秒ほど遅いペースで前を追う。10周目に入った時点でベッテルは5番手につけるディ・レスタ以降のライバルに12.6秒のリードを築いていた。

序盤にロズベルグをかわしはしたものの、ディ・レスタのペースが上がらずロズベルグからロマン・グロージャン(ロータス)、ジェンソン・バトン(マクラーレン)、キミ・ライコネン(ロータス)、可夢偉、マッサ、セルジオ・ペレス(ザウバー)、ニコ・ヒュルケンベルグ(フォース・インディア)が1秒差以内の間隔で隊列を組む。

13周目にマッサが最初のピットストップに向かい、スーパーソフトからソフトのコンパウンドに履き替えてレースを再開した。次の周回はディ・レスタとシューマッハがピットイン。前が開けたロズベルグらはスピードアップを図って前とのギャップを縮めにかかる。

ラップリーダーのベッテルは17周目にスーパーソフトからソフトコンパウンドに交換。ピットボックスを後にした。アロンソがステイアウトを選ぶ一方、ハミルトンとウェバーはベッテルの翌周に1回目のピットストップを終えている。ピットから出てきたハミルトンはベッテルの前でコースに戻った。すぐにベッテルがオーバーテイクを仕掛けるもハミルトンが見事な防御でポジションを守る。

アロンソはタイヤ交換を終えた20周目、ギリギリのタイミングでハミルトンの頭を抑えて先行したものの、DRSゾーンでハミルトンがアロンソを抜き返して2番手に。この時のラップリーダーは一度もピットストップを行なっていないグロージャンだった。

グロージャンは21周目にピットに迎い、ハミルトンをリーダーにアロンソとベッテルが2番手と3番手を走行。その後ろにつけるライコネン、可夢偉、ペレスはスタート時と同じタイヤを履いたままだ。スーパーソフトを装着していた可夢偉は25周目にソフトコンパウンドのセットに履き替えている。

モントリオールでのHRTはこれまでに成し遂げた進歩を大いに発揮していたものの、24周目にナレイン・カーティケヤンがコース脇にマシンを止め、2ラップ後にはピットインしたペドロ・デ・ラ・ロサがガレージにマシンを収めてリタイアを喫した。

レース半分が終了するタイミングでバトンが2度目のピットストップを実施、再びオプションタイヤのセットを装着してコースに戻っていく。折り返し地点を過ぎてなおソフトコンパウンドを履き続けたライコネンとペレスはそれぞれ41周目と42周目にピットに入って柔らかい方のタイヤに交換し、1ストップ戦略を採った。

シューマッハは44周目に2度目のピットストップに向かい、メカニックが開きっぱなしになったDRSを閉じようと"たたく"も、まったく効果なく、一度はコースに戻ったシューマッハだったが、再びピットインを強いられている。メルセデスのクルーは懸命にDRSを元に戻そうとしたものの完全に開いて動かない。結局、マシンはガレージに入れられ、シューマッハはまたも信頼性の問題によってチェッカーを受けられなかった。

その間、ピットレーンのスピード違反に問われたトロ・ロッソのジャン-エリック・ベルヌがドライブスルーペナルティを科せられている。

リアタイヤが苦しいと訴えたラップリーダーのハミルトンは50周目に最後のタイヤ交換を行うも、右リアタイヤの装着に手間取ってしまい、1秒ないし1.5秒をロスしてしまう。マクラーレンはピット作業の改善に取り組んできたというが、今回も完ぺきなピットストップとはいかなかった。それでもハミルトンは気を取り直してアロンソやベッテルより1秒近く速いファステストラップを刻みながら失った時間を埋め合わせようと努める。

ラップタイムはやや落ちていたものの、先頭のアロンソと2番手を走るベッテルはコース上にとどまることを選び、戦略を1ストップに変更した。アロンソの相棒マッサも一度のタイヤ交換で完走を目指していたが、急激なペースダウンでポジションを落としたため、59周目にピットイン、スーパーソフトコンパウンドを履いて隊列に戻っている。

残り10周を切って2番手のベッテルに接近したハミルトンはよりフレッシュなタイヤとDRSのアドバンテージを生かしてベッテルとの攻防戦を制す。ベッテルはその後、タイヤが限界に達した様子でオプションタイヤに履き替えている。

アロンソとハミルトンに絞られた優勝争いはハミルトンがDRSゾーンでアロンソを追い抜き、リードを奪い取った。アロンソはさらにグロージャンからの猛追も受け、2秒近いペース差になすすべなく2番手のポジションを明け渡す。チェッカーまで4周を迎えてアロンソの6秒後方にいたペレスは表彰台を目指して激しくプッシュ。1周で4秒近くギャップを縮め、68周目のDRSゾーンでさらりとフェラーリマシンを料理した。アロンソは直後にベッテルにもかわされている。

最終的に、ドライバーにもファンにも人気のモントリオールで最初にチェッカーフラッグを受けたのはハミルトンだった。シーズン7戦を終えて7人目のウイナー誕生だ。1ストップ戦略を成功させたグロージャンとペレスがそれぞれ2位と3位でゴールしている。その他、ベッテル、アロンソ、ロズベルグ、ウェバー、ライコネン、可夢偉、マッサがポイントを獲得した。

4位入賞のベッテルがファイナルラップで1分15秒752のファステストラップを刻んでいる。

再びヨーロッパへと戻るF1サーカスは2週間後の24日(日)にシーズン第8戦ヨーロッパGPに挑む。舞台はスペイン・バレンシアの市街地サーキット。初日の金曜フリー走行1回目は22日(金)日本時間17時に開始される予定だ。

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