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劇的な展開を制したのはバトン!

Kay Tanaka
2011年6月13日 « バトンとの接触を語るハミルトン | 審議の結果、バトンにペナルティなし »
何度もセーフティカーが導入される荒れた展開に・・・ © Getty Images
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13日(月)日本時間2時から2011年F1世界選手権第7戦カナダGPの決勝レースが、モントリオールのジル・ビルヌーブ・サーキット(全長4.361km)で行われた。決勝の周回数は70周、レース距離は305.270kmだ。

前日の公式予選ではセバスチャン・ベッテル(レッドブル)が今シーズン6回目のポールポジションを獲得。2番手にフェルナンド・アロンソ、3番手にフェリペ・マッサとフェラーリ勢が続き、小林可夢偉(ザウバー)はQ2敗退で13番手だった。また可夢偉のチームメイトで前戦モナコGPの予選で大クラッシュに見舞われたセルジオ・ペレスは金曜フリー走行1回目に参加後、体調不良を訴えて欠場を決めた。代役にはマクラーレンのテスト&リザーブドライバーを務めているペドロ・デ・ラ・ロサが選ばれ、予選では17番手につけている。

レーススタート時の天気は曇りだが、それまでに降った雨により路面はウエットコンディションとなった。気温は19℃、路面温度は18℃、湿度は80%。タイヤサプライヤーを務めるピレリは、スーパーソフトコンパウンド(オプション/ソフトタイヤ)とソフトコンパウンド(プライム/ハードタイヤ)という2種類のタイヤを投入した。いずれもモナコGPで使われたものと同じスペックだ。

路面が濡れていることもあってレースはセーフティカー先導でのスタートとなった。どのマシンも大雨用のウエットタイヤを装着した。ハイメ・アルグエルスアリ(トロ・ロッソ)はピットスタートを選択したが、フォーメーションラップは行われることなくレースが開始されたため、すぐに隊列に加わっている。また、今回は2カ所でDRS(ドラッグ減少システム/可変リアウイング)を使用することができるものの、ウエットコンディション化ではDRSの使用が禁止されている。

セーフティカーは4周目にコースを外れ、レースは5周目からリスタート! トップ3はポジションを守ったが、4番手のマーク・ウェバー(レッドブル)がルイス・ハミルトン(マクラーレン)と接触してスピン。一方、ミハエル・シューマッハ(メルセデスGP)は5番手、可夢偉は10番手までポジションを上げた。スピンしたウェバーは14番手まで後退している。

セーフティカー導入中は2分フラットで周回していたが、5周目のベッテルのタイムは1分36秒175。6周目には1分34秒827という全体の最速タイムを刻み、2番手アロンソとのギャップを4.2秒に広げた。マッサは接近しているが、4番手のニコ・ロズベルグ(メルセデスGP)はマッサから4秒ほど遅れ、1秒ほどの間隔を置いてシューマッハ、ジェンソン・バトン(マクラーレン)、ハミルトンが続いた。可夢偉はさらにポジションを上げ、8番手にジャンプアップした。

8周目のホームストレートでバトンとハミルトンがバトルしたが、両者はまさかの接触! 前を走るバトンはレコードラインを走行していたが、ハミルトンが無理やりマシンをねじ込むような形になり、コンクリートウオールとバトン車に挟まれる形となった。これでハミルトンのフロントウイングと左リアタイヤが大きく壊れ、コース上でリタイア。これでセーフティカーが導入されることになった。バトンも緊急ピットインを余儀なくされたが大きなマシンダメージはなかった。またこの際、思い切ってインターミディエイトタイヤに交換している。

セーフティカー導入のままレースは10周目を迎え、先頭ベッテル、2番手アロンソ、3番手マッサ、4番手ロズベルグ、5番手シューマッハ、6番手可夢偉、7番手ニック・ハイドフェルド、8番手ヴィタリー・ペトロフ(共にルノー)、9番手ウェバー、10番手ポール・ディ・レスタ(フォース・インディア)と続いた。

レースは13周目の直前からリスタート! 大きな順位変更はなかったが、セーフティカー導入中に指定されたラップタイムよりも速く走行してしまったことで、バトンにピットレーンドライブスルーペナルティが科せられた。それでもインターミディエイトタイヤを装着したバトンのペースは悪くなく、16周目にはセクター2、3で最速タイムをマーク。このタイムを見てインターミディエイトへの交換を検討するチームも多く、アロンソやロズベルグ、シューマッハがピットイン。これで可夢偉が3番手に浮上したが、後ろにはルノー勢を料理したウェバーが迫った。

しかし空からは雨が落ちてきたこともあり、インターミディエイト勢のペースが鈍る。激しいウエットコンディションになったことで20周目に再びセーフティカーが導入され、アロンソ、バトン、ロズベルグらが再びピットストップを行ってウエットタイヤに戻した。先頭ベッテルと2番手マッサもピットストップを行い、ウエットタイヤからウエットタイヤに交換。これで隊列は先頭ベッテル、2番手可夢偉、3番手マッサ、4番手ハイドフェルド、5番手ペトロフ、6番手ディ・レスタ、7番手ウェバー、8番手アロンソ、9番手ペドロ・デ・ラ・ロサ(ザウバー)、10番手バトンとなっている。

上空からの降雨はさらに激しくなり、レースはセーフティカー先導のまま25周目に入ったが先頭を走るベッテルは無線で「ターン9からターン13までの区間は(激しいウエットコンディションのため)ドライブが不可能なぐらいだ」とコメント。そしてレース開始から46分後の25周目に赤旗が提示され、レースは中断となった。各マシンはホームストレート上に停止してエンジンを切り、メカニックの手によってタイヤ交換やセッティング変更などが加えられた。

レースは2時間4分の中断を経て、セーフティカー先導で26周目から再開された。序列はベッテル、可夢偉、マッサ、ハイドフェルド、ペトロフ、ディ・レスタ、ウェバー、アロンソ、デ・ラ・ロサ、ロズベルグまでがトップ10だ。

セーフティカーは34周目でコース上から姿を消し、35周目からリスタート! ベッテルや可夢偉をはじめ上位勢はポジションを守ったが、メルセデスGP勢などはピットに飛び込みインターミディエイトタイヤに履き替えた。翌周にはハイドフェルド、ディ・レスタ、バトン、デ・ラ・ロサなどもピットに入り、その次の周では可夢偉、マッサ、ペトロフ、ウェバー、アロンソ、ロズベルグもタイヤを履き換えた。

37周目にアロンソがバトンと接触した後にスピンを喫し、縁石にマシン中央部を乗り上げて動けなくなってしまったためセーフティカーが導入された。バトンも左フロントタイヤを傷めている。このタイミングでベッテルはタイヤを交換した。

40周目の終わりからリスタートとなったが、ここでも上位勢に大きなポジションチェンジはなし。42周目の最終シケインでディ・レスタとハイドフェルドが接触し、ディ・レスタは壊れたフロントウイングで1周を走ってからピットに飛び込んだ。また、45周目からDRSの使用が許可され、可夢偉を攻めるマッサが使ったがオーバーテイクには至らなかった。一方、シューマッハはハイドフェルドをかわして4番手に浮上している。

レーシングライン上はほぼドライになったこともあり、ウェバーが初めてドライタイヤに交換。51周目には可夢偉がターン8の進入でミスし、その隙を突いてシューマッハが一気に2台を抜いて2番手に浮上。さらにマッサも可夢偉の前に出たが、次の周にはシューマッハとマッサがピットに入ってドライタイヤに交換した。さらにベッテルと可夢偉もピットに入り、ベッテルは先頭、可夢偉は4番手でコースに復帰。しかし猛烈なスピードで追い上げるバトンに可夢偉は太刀打ちできず、5番手にポジションを落とした。さらにハイドフェルドからもプレッシャーを受けたが、ターン2で一瞬加速が鈍った可夢偉にハイドフェルドが追突してフロントウイングを壊し、ターン3の手前でフロントウイングに乗り上げたハイドフェルドがエスケープゾーンを突っ切ってリタイア。ターン3の手前に多くの破片が飛び散ったため、再びセーフティカーが導入された。

レースは60周目の終わりからリスタート。ベッテル、シューマッハ、ウェバー、バトン、可夢偉、ペトロフ、バリチェロ、アルグエルスアリ、ロズベルグ、パストール・マルドナド(ウィリアムズ)という序列だったが、可夢偉がターン1でバランスを崩し、ペトロフにポジションを奪われて6番手に落ちた。

2番手争いを演じたシューマッハ、ウェバー、バトンは、DRS使用が許可されたことでバトンが2番手に浮上し、シューマッハ、ウェバーが続く形になった。バトンはバトルをしても先頭ベッテルより2秒ほど速いラップタイムを刻んでおり、ベッテルとのギャップを1.6秒まで縮めた。可夢偉はペースが鈍ったが、67周目に1分21秒204という自己ベストタイムをマーク。しかしマッサがロズベルグをかわして可夢偉の背後につけた。

バトンのプレッシャーを受けたベッテルはファイナルラップのターン7でハーフスピン! これでバトンが楽々トップに浮上し、トップでチェッカーを受けた! 2010年中国GP以来となる今シーズン初勝利をマークしている。2位にベッテル、3位にウェバーが入り、4位にシューマッハ、5位にペトロフが続いた。

可夢偉は最終シケインではマッサを抑えたが、ホームストレートではDRSを使われたこともあってほんのわずかな差でポジションを失い、7位でゴールしている。8位にアルグエルスアリ、9位にバリチェロ、10位にブエミが入り、ロズベルグ、デ・ラ・ロサ、ビタントニオ・リウッツィ、ナレイン・カーティケヤン(共にHRT)、ジェローム・ダンブロジオ、ティモ・グロック(共にヴァージン)、ヤルノ・トゥルーリ(ロータス)、ディ・レスタまでが完走。リタイアは6台だった。

ファステストラップを刻んだのはバトンで、69周目に1分16秒956をたたき出した。

次戦は2週間後にスペイン・バレンシア市街地で開催されるヨーロッパGP。最初のセッションとなる金曜フリー走行は24日(金)日本時間17時にスタートする予定。公式予選は25日の日本時間21時から、決勝レースは26日の日本時間21時から行われる予定となっている。

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