カナダGP

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圧巻の速さでハミルトンが優勝

Jim
2015年6月8日
© Sutton Images
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日本の日付が8日(月)に変わり時計の針が3時を回る頃、カナダ・ケベック州モントリオールのジル・ビルヌーブ・サーキットで2015年FIA F1世界選手権第7戦カナダGP決勝レースが開催され、メルセデスのルイス・ハミルトンがトップチェッカーを受けた。

パワーユニットをアップグレードしてカナダに乗り込んだフェラーリのパフォーマンスに注目が集まったものの、予選はトラブルに見舞われたセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)がQ1で姿を消す波乱の展開となり、実質的なポールポジション争いはメルセデスの2台に絞られる。最終的にハミルトンが通算44度目のポールシッターに輝き、ニコ・ロズベルグがフロントロー、フェラーリのキミ・ライコネンが3番手に並んだ。

カナダGPでは複数のドライバーがペナルティを受けている。予選12番手のマックス・フェルスタッペン(トロ・ロッソ)は前戦モナコGPで他車と接触したインシデントで科せられた5グリッド降格に加えて、5基目のエンジンを搭載したことで10グリッド降格処分も重なり合計15グリッド降格となった。当初の5グリッド降格を適用した時点でフェルスタッペンは17番に後退するが、予選セッションに参加したドライバーが19名しかおらず、事実上、フェルスタッペンのエンジン交換による降格処分は2グリッドしか消化できない。そのため、残る8グリッド分はレースでの10秒タイムペナルティに換算された。

また、Q1敗退を喫したベッテルは土曜フリー走行で赤旗が振られた際に他車を追い抜いてしまったことで5グリッド降格処分を受けている。

2台揃ってエンジン交換の難局に直面したマクラーレンは土曜フリー走行終盤に問題を抱えたジェンソン・バトンが予選に参加できず。スチュワードからレース出走の許可を得たものの、交換したターボチャージャーとMGU-Hが5基目に突入したため、合計して15グリッド降格処分を受けたが、最後尾グリッドに着いたバトンは15グリッド分すべてが未消化となるため、代わりにレース中のドライブスルーペナルティが科せられた。バトンはレースが始まって3周以内にペナルティを実行しなければならない。

全長4.361kmを誇るジル・ビルヌーブ・サーキットの一戦は70周で争われ、上空に雲が広がった決勝日は気温20度、路面温39度、湿度28%のドライコンディションでスタート時刻を迎える。

第1スティントにプライムタイヤを選んだドライバーは下位グリッドを中心に15番手スタートのフェリペ・マッサ(ウィリアムズ)、ロバート・メルヒとウィル・スティーブンスのマノー・マルシャ勢、最後列のフェルスタッペンとバトンだ。18番グリッドに並んだベッテルはスーパーソフトタイヤをチョイスしている。

シグナルが消えた後、好発進を決めたハミルトンが先頭をキープし、後続車も順当にスタート。オープニングラップの終わりにバトンがピットレーンに入ってドライブスルーペナルティを消化した。スタートで2つポジションを上げたアロンソは11番手に浮上するも、マクラーレンマシンよりもペースに優れるライバルたちにオーバーテイクを食らい、5周目には14番手に後退した。

11番手を争っていたマーカス・エリクソン(ザウバー)とマッサに迫ったベッテルが8周目に最初のピットストップを実施。作業に手間取りスローストップを喫したフェラーリはベッテルをコースに送り出すも、戻った位置は最後尾だった。それでも新しいソフトタイヤを履いてペースを上げたベッテルはマノー・マルシャを料理し、さらにバトンを追い抜いていく。

オーバーテイクの機会が多いジル・ビルヌーブ・サーキットでは中団グループの攻防戦が激しく、予選では突然のパワーロスで思うようにタイムを残せなかったマッサが次々に追い抜きを成功させた。後方グリッドに甘んじたマッサは15周目までにポイント圏内に浮上すると、メルセデスエンジンのパワーとプライムタイヤの利点を生かしてさらに順位を上げていく。

オープニングラップでフォース・インディアのニコ・ヒュルケンベルグにかわされ、その後はコンマ数秒差のバトルを続けていたロータスのパストール・マルドナドが19周目にピットイン。スーパーソフトタイヤからソフトタイヤに交換した。

他のドライバーたちがピットストップに向かい始めたのは25周を迎える頃。上位勢では3番手を走っていたライコネンが27周目にソフトタイヤに交換したが、直後のラップのヘアピンでちょうど一年前と同じようにスピンを喫してしまう。ライコネンの無線によれば「昨年とまったく一緒!」とのこと。その間にタイヤ交換を済ませたボッタスに逆転を許し、ライコネンは表彰台圏内から脱落している。

メルセデス勢は29周目と30周目にハミルトンとロズベルグのタイヤ交換を完了。ピットストップ前は5秒近くに開いていたギャップが第2スティントの開始時は2秒弱に縮まった。数周に渡ってペースに苦戦していたハミルトンだが、いったんリズムをつかむと安定したラップタイムを刻んでいる。

ライバルたちと異なる戦略を採ったベッテルは一時6番手に上がった後、36周目に2度目のタイヤ交換を実施。ここでもプライム側のコンパウンドを選んだ。一方、第1スティントにソフトタイヤを選んだマッサがスーパーソフトタイヤに履き替えたのは38周目。ポイント圏内をキープして隊列に復帰している。

ライコネンの第2スティントは短く、41周目にはスーパーソフトタイヤに戻す。相棒のベッテルは予選で未使用だったフレッシュタイヤを活用しながらオーバーテイクを連発するが、ヒュルケンベルグとのバトルではひやりとする場面も。サイド・バイ・サイドでコーナリングに持ち込んだ際、ヒュルケンベルグが縁石に乗り上げてスピンを喫した。ベッテルと接触したようにも見えたが、本人は無線で「ぶつかっていない」と主張している。幸い、2台ともウオールとの接触は免れ、その後もレースを続けた。

パフォーマンス不足に加えて思うようにプッシュもできなかったマクラーレンのアロンソは47周目にパワーロスを訴えてピットインすると、そのままマシンをガレージに収めて戦線離脱。セーフティカーの出動率が高く、サバイバルレースになることも多いカナダGPだが、今年のリタイアはアロンソが最初だ。

モントリオールで好調を維持していたロータスのグロージャンは順調にレースを進めていたにもかかわらず、最終シケイン手前で周回遅れのスティーブンスを追い抜いた際にリアが接触してしまった。マシンにダメージを負った2台はピットレーンが近かったこともあり、そのまま緊急ピットイン。グロージャンはパンクチャーも起こしていた。この接触はグロージャンに責任があるとして5秒のタイムペナルティが科せられている。グロージャンはその後にピットストップを行わなかったため、レースタイムに5秒が加算された。

アロンソに次いでチェッカーを受けられなくなったのは同じくマクラーレンを駆るバトン。懸命にマシンを操縦しながら57周を走ったものの、70周を走り切れずにリタイアを喫した。さらにその6周後にはマノー・マルシャのメルヒがマシンをガレージに収めている。

1-2態勢のメルセデスはロズベルグが先頭を行くハミルトンとのギャップを1.4秒ほどにキープしたまま終盤に突入。残り4周を切ってロズベルグがペースアップを図ったが、それに合わせるようにハミルトンもラップタイムをコントロールし、ロズベルグにそれ以上の接近を許さず、完ぺきな勝利を飾った。ロズベルグが2位でゴール、ボッタスが3位でチェッカーを受け、メルセデスエンジンを積む3台が表彰台を独占している。

4位以下の入賞はライコネン、ベッテル、マッサ、マルドナド、ヒュルケンベルグ、クビアト、グロージャンだ。グロージャンは11位完走を果たしたペレスに20秒近いリードを築いていたため、5秒のタイムペナルティを受けてなお10位を確保している。

F1一行はこの後、モントリオールからヨーロッパに帰国。2週間後に控えるシーズン第8戦オーストリアGPはレッドブルのお膝元レッドブル・リンクが舞台だ。19日(金)に開幕する同グランプリの金曜フリー走行1回目のセッションは日本時間17時にスタートすることになっている。

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