カナダGP

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ベッテルが久々の完勝

Jim
2013年6月10日
終始レースをリードし続けたベッテル © Getty Images
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カナダ・ケベック州モントリオールにあるジル・ビルヌーブ・サーキットで9日(日)、2013年FIA F1世界選手権第7戦カナダGP決勝レースが開催された。現地と13時間の時差がある日本でレースが始まったのは10日(月)に日付が変わった深夜3時。

今年のモントリオールは初日から厄介なコンディションが続き、土曜日に行われた予選はQ2でフェラーリのフェリペ・マッサがクラッシュを喫して赤旗中断に。トリッキーな環境はQ3になっても変わらず、終盤には最終セクターのコンディションが悪化したこともありタイムを伸ばせるドライバーが少なかった。

最終的にポールポジションを手に入れたのはレッドブルのセバスチャン・ベッテル。2番手にメルセデスのルイス・ハミルトンが続き、3番手はルーキードライバーのバルテリ・ボッタス(ウィリアムズ)が入っている。ボッタスにとっては初のQ3進出でトップ3入りという快挙だ。

なお、Q2のセッション再開時にピットレーンのファストレーンではないところにマシンを並べてしまったことから、キミ・ライコネン(ロータス/予選9番手)とダニエル・リカルド(トロ・ロッソ/予選10番手)に2グリッド降格処分が科されている。ただ、ライコネンへの処分が先に適用されるため、ライコネンが11番手に後退することでリカルドが9番手に上がり、ここにリカルドへの処分を反映すると最終的なグリッドポジションはライコネンが10番手、リカルドが11番手となる。この結果、ザウバーのニコ・ヒュルケンベルグが予選結果より2つ上の9番グリッドを手に入れた。

また、予選Q1で敗退してしまったロータスのロマン・グロージャンは19番手タイムだったが、前戦モナコGP後に10グリッド降格ペナルティを受けており、最後尾に後退している。そのため予選20番手以降のジュール・ビアンキ、マックス・チルトン(共にマルシャ)、ギド・ヴァン・デル・ガルデ(ケータハム)のグリッドポジションがそれぞれ繰り上がった。

全長4.361kmを誇るジル・ビルヌーブ・サーキットの一戦は70周で争われ、決勝当日は雲こそあるものの、今週末初めて太陽が顔を出し、気温23度、路面温度29度、湿度39%のドライコンディションでスタート時刻を迎える。

予選がウエットだったためスタート時のタイヤは各自が自由に選べたが、上位勢は概ねスーパーソフトコンパウンドを履き、後方スタートのポール・ディ・レスタ(フォース・インディア)、マルシャ勢、ロータスのロマン・グロージャンがミディアムタイヤをチョイスしている。

スタート後、ベッテルとハミルトンが好発進する中、ボッタスがポジションを落とし、メルセデスのニコ・ロズベルグやレッドブルのマーク・ウェバーにかわされた。さらにフェラーリのフェルナンド・アロンソにもポジションを奪われるも、引き離されぬようプッシュしながら6番手をキープする。

強力なレースペースを発揮したベッテルは5周を終えて後続に4秒以上のリードを築き独走態勢に入る。そんな中、ボッタスを追いかけていたトロ・ロッソのジャン-エリック・ベルヌとフォース・インディアのエイドリアン・スーティルがオーバーテイクを仕掛け、ベルヌは成功するも、スーティルはターン3でスピンを喫してしまい、13番手に後退。後続車が迫っていたが、芝生に避けるなどして接触を回避している。さらにヘアピンでパストール・マルドナド(ウィリアムズ)がスーティルに突っ込み、フロントウイングにダメージを負う。この接触が審議対象となり、マルドナドにドライブスルーペナルティが科された。

最初にピットストップを行ったのはヴァン・デル・ガルデ。10周目にはスーティルもタイヤ交換に向かった。その3周後にはリカルド、ヒュルケンベルグ、マルドナドがピットに入っている。最初のタイヤ交換ではウェバーがミディアムタイヤに履き替える一方、ロズベルグがスーパーソフトをチョイスするなど上位勢でも戦略が分かれた。メルセデスとフェラーリはドライバー間でも選択が分かれ、ハミルトンはミディアムタイヤを、フェラーリはアロンソにスーパーソフト、マッサにミディアムを履かせている。

トップ5が一回目のタイヤ交換を済ませた段階でベッテルは2番手のハミルトンに10.9秒のリードを築く。第1スティントを23周まで引っ張ったライコネンはピットストップでリアのジャッキトラブルに見舞われ、右リアタイヤの交換に手間取ってしまった。

オーバーテイクが可能なコースとあって多くのドライバーが追い抜きを披露するが、3番手のロズベルグを追いかけるウェバーは周回遅れの存在もあり、なかなか攻撃に打って出られない。コンマ数秒後方のアロンソにも注意を払いつつ、ウェバーは31周目にヘアピンで仕掛けた後、最終シケインでロズベルグのオーバーテイクを成功させた。ロズベルグはターン1でアロンソにもかわされている。そのラップ終わりに2回目のピットストップを終えたロズベルグは第3スティントにミディアムコンパウンドを選んだ。

37周目のヘアピンでウェバーが周回遅れのヴァン・デル・ガルデと接触。フロントウイングのエンドプレートにダメージを負った。リアタイヤに衝撃を受けたヴァン・デル・ガルデはスピンを喫したものの、レースを再開させている。ただ、青旗を無視したとして審議対象になってしまい。結果的にウェバーとの接触に関して10秒間のストップ・アンド・ゴーペナルティを受けた。

フロントウイングを破損したウェバーはペースを落とすことなく周回を重ね、その後もアロンソとの接近戦を展開。互いに信頼し合う2人の攻防戦はしばらく続いたが、41周目のヘアピンでウェバーがロックアップしたのをきっかけにアロンソが一気に攻める。ターン1への飛び込みで前に出たアロンソがそのままポジションをキープした。

終盤に入る頃、ヴァン・デル・ガルデとヒュルケンベルグが接触。ヴァン・デル・ガルデはフロントウイングをマシン下に挟んだままピットを目指したものの途中で力尽き、マシンを止めた。ケータハムマシンのフロントウイングとタイヤが触れたヒュルケンベルグは左リアタイヤがパンク、エスケープロードに逃げ込んでレースを終えている。

ラップリーダーとしてレースをコントロールしていたベッテルが53周目に珍しいミスを犯す。ターン1でワイドに膨らみ、コースを飛び出してしまった。事なきを得てレースを再開させている。

1ストッパーのディ・レスタはミディアムタイヤで57周を走り切り、58周目に最初で最後のピットストップを完了。同じ戦略でゴールを目指したグロージャンは第2スティントが短く、結局は2ストップでレースを乗り切った。

ウェバーを追い抜いた後、ハミルトンとの差を詰めていったアロンソは62周目に逆転に成功する。ハミルトンはサイド・バイ・サイドに並ばれながらも必死に防御するなど見事なパフォーマンスでアロンソの攻撃をかわしていたが、DRSの効果も相まってポジションを譲った。しかし、それでもハミルトンは諦めることなくアロンソからポジションを奪い返そうと仕掛け、モントリオールに集まった大勢の観客を沸かせた。さらにチェッカーを目前にしたライコネンとマッサの8番手争いも白熱。元チームメイト対決はマッサに軍配が上がっている。

70周の熱戦をトップでチェッカーを受けたのはポールスタートのベッテルだった。2位にアロンソ、ハミルトンが3位表彰台に上っている。4位以降のウェバー、ロズベルグ、ベルヌ、ディ・レスタ、マッサ、ライコネン、スーティルがポイントを獲得。ライコネンはこれで24戦連続入賞を果たし、ミハエル・シューマッハが持つ記録に並んだ。

ドライバーズ選手権は優勝したベッテルがさらにリードを広げ、ライコネンとアロンソの順位が入れ替わっている。2位に浮上したアロンソとベッテルとの点差は36ポイントだ。

再びヨーロッパへと戻るF1サーカスが次に挑むのは伝統の一戦。モータースポーツ発祥の地シルバーストーンが舞台のシーズン第8戦イギリスGPは28日(金)に開幕し、日本時間18時から金曜フリー走行1回目が行われる予定だ。

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