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雨のブラジルでベッテルが今季王者に!

M.S.
2012年11月26日
波乱のレースとなった最終戦 © Press Association
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ブラジルのインテルラゴス・サーキットにて2012年FIA F1世界選手権第20戦ブラジルGP決勝が行われた。

サーキットは全長4.309km、決勝レースは71周で行われる。DRSゾーンはターン3からターン4にかけての1カ所に設定された。ピレリはこのサーキットにハードコンパウンド(プライム)とミディアムコンパウンド(オプション)の2種類のドライタイヤを持ち込んでいる。

前日に行われた公式予選ではこの戦いを最後にマクラーレンを去ってメルセデスに移籍するルイス・ハミルトンがポールポジションを獲得。現チームメイトのジェンソン・バトンと共にマクラーレンがフロントローを独占した状態でラストレースをスタートする。

3度目のタイトルに王手をかけたセバスチャン・ベッテル(レッドブル)は2列目4番グリッドを獲得。ベッテルはランキング2位のフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)に対して13ポイントのリードを築いており、スタート位置をキープしさえすればアロンソが何位になろうと今季のタイトルが確定する。

対するアロンソは予選8番手ながらも、6番手タイムだったウィリアムズのパストール・マルドナドが予選中に重量検査の指示を見逃し、今年3度目の戒告処分を受けたために10グリッド降格された影響で7番グリッドに昇格。しかし、アロンソの戴冠には最低でも表彰台フィニッシュが必要になる。

スタート時のタイヤとしてプライムを選んだのは13番グリッドのミハエル・シューマッハ(メルセデス)、14番グリッドの小林可夢偉(ザウバー)、18番グリッドのロマン・グロージャン(ロータス)だった。

インテルラゴスでの最終決戦は事前の予報に反してドライのレースになると見られていたものの、決勝時間の直前になってサーキットには軽い雨が落ち始める。レーススタート時の天候は雨、気温19度、路面温度24度だった。

今季最後のシグナルが消えると、フェラーリ勢が好スタートを決める。マッサがマクラーレン勢の間を割って2番手に浮上し、アロンソは5番手にポジションを上げた。レッドブルは出遅れたのみならず、7番手に落ちたベッテルがスタート後の混乱の中でスピンを喫し、最後方まで後退する。可夢偉も危ない位置にいたが、とっさの操作でベッテルをかわしていった。

ベッテルはウィリアムズのブルーノ・セナに追突された模様で、そのブルーノは母国グランプリを早くもリタイア。他にもセルジオ・ペレス(ザウバー)とマルドナドがここでレースを終えている。

2周目に入ったところでマーク・ウェバー(レッドブル)がマッサをかわそうと動いたところをさらに後方にいたアロンソが一気にオーバーテイク。3周目にニコ・ヒュルケンベルグ(フォース・インディア)がウェバーをパスし、トップ10はハミルトン、バトン、アロンソ、ヒュルケンベルグ、ウェバー、マッサ、ポール・ディ・レスタ(フォース・インディア)、キミ・ライコネン(ロータス)、可夢偉、ニコ・ロズベルグ(メルセデス)というオーダーとなった。

雨脚はやや強まっている様子で、6周目にはアロンソが足をすべらせてコースオフ。これでヒュルケンベルグがアロンソに先行する。続いてウェバーがアロンソに襲いかかるが、後方からのマッサの援護もあってアロンソはポジションを維持した。

同じ周回でキミ・ライコネン(ロータス)とシューマッハがピットヘ向かい、シューマッハはハードタイヤを履くも、ライコネンはインターミディエイトをチョイスしてコースへ復帰している。

7周目にはグロージャンがスピンの末にタイヤウオールに接触してストップ。ウェバーもスピンを喫したが、大事はなくレースを続行した。隊列の後ろに下がっていたベッテルは次々と前を行くマシンをかわし、ポイント圏内にポジションを戻している。

8周目にはマクラーレン同士でラップリーダーが交代し、雨を得意とするバトンがハミルトンからリードを奪う。路面コンディションは微妙な状態が続いていたが、ついにインターミディエイトへ履き替える動きが激しくなり、10周目にロズベルグ、ダニエル・リカルド(トロ・ロッソ)、ウェバーが、11周目に2番手ハミルトンがタイヤ交換に向かったのに続き、タイトル争いを演じるアロンソとベッテルもピットへ。

17周目までにトップのバトンとヒュルケンベルグを除く全員がインターミディエイトを装着し、3番手以降にはハミルトン、アロンソ、ベッテル、可夢偉、ウェバー、ロズベルグ、ポール・ディ・レスタ(フォース・インディア)、リカルドが並んでいた。

しかし、雨の勢いは弱まってこの動きが裏目に。ドライタイヤで持ちこたえた上位2名がライバルたちを尻目に順調に飛ばした。ヒュルケンベルグは先頭を行くバトンにひたひたと迫り、19周目にかわして暫定トップの座に踊り出る。

その間にハミルトンがハードコンパウンドに戻したのを皮切りに、今度はドライタイヤに戻す動きが始まる。続いてアロンソと可夢偉がピットを目指し、21周目にはレッドブルがベッテルとウェバーの同時ピットインを敢行した。

同じ頃、ロズベルグがコース上に散らばるデブリを踏んだか、右リアタイヤをパンクして緊急ピットイン。アロンソが無線でデブリの多さを訴えており、23周目でセーフティカーが導入された。

この時点で3番手ハミルトンは前を行く僚友から46.5秒遅れ、さらにそのハミルトンとアロンソの間には27秒と大きなギャップがあったが、セーフティカー出動でそれも帳消しに。ヒュルケンベルグとバトンはハードタイヤに履き替え、トップ10はヒュルケンベルグ、バトン、ハミルトン、アロンソ、ベッテル、可夢偉、ウェバー、ディ・レスタ、リカルド、ライコネンという面々となった。

29周目の最後にセーフティカーが戻りレースが再開されると、可夢偉が目覚しい動きでベッテルの前に出た。後方ではマッサが2つポジションを上げて9番手に上がっている。

31周目にハミルトンがバトンの前へ。続く周回では可夢偉がアロンソをも料理して4番手に上がる。しかし、アロンソが可夢偉からポジションを取り戻し、後方からはマッサがチームメイトのタイトル取りを助けようと隊列を駆け上がり、ベッテルの前に出た。

これで上位のオーダーはヒュルケンベルグ、ハミルトン、バトン、アロンソ、可夢偉、マッサ、ベッテルに。38周目にはマッサが可夢偉をかわしている。

雨はレースを通じて降り続けており、ドライタイヤで走行する隊列全体のペースが落ち始める。トップのヒュルケンベルグは2番手以降に2秒ほどのギャップを維持していたものの、次第にハミルトンがその差をつめてきた。

49周目、ヒュルケンベルグが白線を踏んで足を取られた機を逃さずハミルトンがリードを奪う。上位の並びはハミルトン、ヒュルケンベルグ、バトン、アロンソ、マッサ、可夢偉、ベッテル、ウェバーに変わった。各ドライバーが路面コンディションに手を焼いている様子で、52周目にはロズベルグがインターミディエイトタイヤに履き替えている。

だが、7番手ベッテルは53周目にミディアムタイヤをチョイス。54周目にはコースを外れたライコネンがエスケープロードに迷い込み、Uターンしつつレースに戻るという一場面が見られた。

波乱含みのレースにまたもや事件が起こったのは55周目のこと。周回遅れのマシンに囲まれつつハミルトンに並びかけたヒュルケンベルグが足を滑らせてハミルトンに接触し、ハミルトンがストップ。ヒュルケンベルグにはこの一件でドライブスルーペナルティを科された。

その直後、ミディアムに履き替えたばかりのベッテルがインターミディエイトタイヤに交換する。可夢偉、シューマッハ、マッサもそれに続いてインターミディエイトタイヤに戻した。3番手に上がっていたアロンソも57周目にこの動きにならっている。

結局全員が雨用タイヤに履き替え、フルウエットを履いたリカルドとコバライネン以外の全員がインターミディエイトを装着。60周目にはバトン、マッサ、アロンソ、ウェバー、ヒュルケンベルグ、シューマッハ、ベッテル、可夢偉、ベルヌ、ディ・レスタがトップ10に並んでいる。62周目にマッサがアロンソを先行させた。

雨脚は強まり、走行する各車の後ろに水しぶきが上がる状態となる。7番手ベッテルはこの位置を維持すれば王者確定となるが、雨の中をペースで劣るシューマッハにしかけていった。ベッテルはこの週末を最後に引退する母国の大先輩を65周目にオーバーテイクしている。

これでシューマッハの後ろとなった可夢偉も攻めていくが、70周目にシューマッハと軽く接触してスピンを喫し、ベルヌの後方9番手に下がってしまう。

何が起こるか分からないままファイナルラップが近づく緊張感の中、ディ・レスタがウオールにぶつかってマシンを大破したことでこのレース2回目のセーフティカーが出動。バトルが封じられたままレースは終わりを迎えた。

これでベッテルの3年連続3度目の王座が決定。レースの方は優勝したバトンにアロンソとマッサのフェラーリ勢が続く形となった。

4番手以降はウェバー、ヒュルケンベルグ、ベッテル、シューマッハ、ベルヌ、可夢偉、ライコネンまでがポイントを獲得し、チェッカーフラッグを受けた11位のヴィタリー・ペトロフ(ケータハム)以下、シャルル・ピック(マルシャ)、リカルド、コバライネン、ロズベルグ、ティモ・グロック(マルシャ)、ペドロ・デ・ラ・ロサ、ナレイン・カーティケヤン(共にHRT)に加え、ディ・レスタまでが完走扱いとなっている。

20戦を数えた長い2012年シーズンはこれにて閉幕。2013年FIA F1世界選手権の最初のレースはオーストラリアで3月17日(日)に開催される予定だ。

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