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抜けないマシンに変化を求めるドライバーたち

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2015年11月18日 « 同一マシン間の追い抜きは難しいとフェルスタッペン | 来年はメルセデスを越えるとアリバベーネ »
© Sutton Images
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マックス・フェルスタッペンが見事なオーバーテイクを連発したブラジルGPで、ルイス・ハミルトンが"ついていけない"、"抜けない"と愚痴をこぼすのは不思議なことだと思われるかもしれない。

しかし、今のF1マシンで追い抜きが困難なことは紛れもない事実だ。前方にマシンがいる汚れたエアの中で、ドライバーがダウンフォースを失ったと不満を述べることはシーズン(それどころかこの20年近く)の見慣れた光景となっている。

ルールメーカーは常に難しい問題の間で板挟みの状態だ。一方では、コーナーで高ダウンフォースを持つ、コーナリングスピードの速いマシンが求められる。しかし、それには波及効果があり、前のマシンによって発生した乱気流がその後ろを走っているマシンのダウンフォースに大きな影響を与えてしまうのだ。ひとたび前のマシンのリアウイングやディフューザーによってエアフローが変わってしまえば、後ろのマシンにはウイングやボディワークの設計時に計算されているクリーンなエアフローが届かなくなってしまう。ハミルトンはブラジルのレース後、"パーフェクトなエアロ"がなかった自分には、"パーフェクトなエアロ"があったロズベルグにオーバーテイクを仕掛けることは不可能だったと述べている。つまり、そういうことだ。たとえDRSがあっても、それは失われたダウンフォースを補えるほどではなく、前をうかがうチャンスはハミルトンにはなかった。

セバスチャン・ベッテルはレース後の記者会見で、次のように述べた。

「中速、高速、低速コーナーで、前のクルマについていくために必要なのはメカニカルグリップだ。空力とメカニカルのパーセンテージをもっとメカニカル寄りにシフトすべきだ。どうやって? もっと速く走れるようないいタイヤが必要だ。ドライバーたちはもっと速く走りたいと思っている」

「解決法はすごく簡単なのに、残念ながらこのスポーツはすごく政治的で、さまざまな利権が絡んでいる。タイヤマニュファクチャラー――今ならピレリ――にタイヤを改良するチャンスを与えればいいのにと思うよ。それが僕たちにも必要なんだから。ところが、その責任能力を持つチームたちが合意できないから、進歩は難しい」

「不幸なことに、そのつけを払わされるのはグランドスタンドに座っている人たちなんだ。僕らはスピードを求めているし、彼らだってそれでもっとエキサイティングになったら、喜んでくれるに違いないよ。まあ、10年、20年前を見ても、レースのオーバーテイクはそれほど多かったわけじゃないから、今だって最悪だとはいわないけどね」

ハミルトンはベッテル以上に変化の必要性を強く訴える。

「結局のところ、僕らが何を言ってもしょうがないんだ。どうせ実現しないんだから。決めるのは上の人たち。彼らが長年正しかったかどうかなんて分からないよ。でも、何かを変えなきゃいけないと思う。場所によっては後ろをついて走れるところだってあるんだ。そういう場所ではいいレースができる。最近だとオースティンかな。でも、それ以外の場所は・・・ね」

「ファンだって見ていて面白くないだろう。今の僕らのように先頭を走れるのは確かにいい気分だよ。でも、それでもお互いにレースができて、ほかの人たちもバトルを挑める状態をファンは望んでいるはずだ。そういう変化なら前向きに捉えられると思うよ」

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