ベルギーGP

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  • スパより、3つの物語

チャンドックのF1便り - 2011年ベルギーGP

Karun Chandhok / Jim 2011年9月4日

『ESPNF1』のコラムニストとして、カルン・チャンドックが2011年シーズン第12戦ベルギーGPを分析・解説してくれました。

ウエット路面でも速さを見せつけたレッドブル © Getty Images
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【カルン・チャンドック 2011年9月1日】

スパの週末で大きな話題だったのは3つ。天候、ミハエル・シューマッハのF1デビュー20周年、そしてタイヤのブリスターだ。

アルデンヌの森の深いところにあるスパはノルドシュライフェ(ニュルブルクリンクの北コース)の丘をもう少し長くした感じ。たった1時間の距離にあるこの2つのサーキットのすごさは驚異的で、考えようによってはF1史上最も素晴らしいサーキットと言えるかもしれない。スパは独自の微気候(ごく狭い範囲の気候)があるようで、僕としては地球一、予測不能な気がする。2003年にここでF3のレースを走ったときは丘の頂上がモンスーンのような天候でラップの半分がひどいコンディションだったのに、コントロールライン付近は完全ドライだったことを覚えている。チームはなぜドライバーたちがウエットタイヤを求めるのか理解できなかったんだ。だって彼らのいるところは太陽の光が降り注いでいたんだから! そんな具合に、僕がGP2で初優勝した2007年を除けばスパで完全ドライの週末だったことは一度もない。

チーム・ロータスの中じゃ今では僕がマシンに乗るとなると、異常に寒かったり雨が降ったりするという冗談が言われるようになってしまい、スパもそれが覆されることはなかった。残念なことに僕が走ったFP1(金曜フリー走行1回目)はまたしても非生産的で、ラップタイムを刻んだ5周も赤旗やトラフィックがあって台無しだ。

レースまでは天候の変化がかなり激しく、レースに向けてマシンをドライのセットアップにするのか、それとも雨を想定して妥協するのか、ドライバーやエンジニアたちにとっては本当に悩ましいことこの上なかった。結局、日曜日はドライになったんだけど、ピレリ(タイヤ)やDRSを使ってスパを走るのは初めてだったから皆が未知の世界に踏み込む形だったけれど、結果的には魅惑のグランプリになったと思う。オーバーテイクがたくさんあり、ウェバーとアロンソの対決なんかは特に勇気あるバトルで、見ていて本当に感動した。

それでも、ベッテルとレッドブルのコンビネーションはとにかく強すぎ。ディフェンディングチャンピオンのベッテルはブリスターの問題を抱えていたのにそれを克服してタイヤを管理できていたし、新たな勝利をつかんでいる。ルノーエンジンにとってはミハエル・シューマッハが見事な優勝を成し遂げた1995年以来の勝ち星だ。序盤はフェルナンド(アロンソ)が優勝を争う一人のように思えたけど、セーフティカー導入後にベッテルが前に立ってからは先頭争いに戻ることもなく、結局、ハード側のタイヤを履いたらフェラーリのエースでさえもバトンやウェバーのペースにかなわなかった。マーク(ウェバー)はスタートの失敗からうまく立て直してRBR(レッドブル・レーシング)の1-2に貢献し、最初に硬めのタイヤを履いたバトンはトラブルを避けつつ、散々な予選から表彰台に上る本当にものすごいレースを走ったと思う。

ツール・ド・フランスの名選手エディ・メルクスからスペシャルバイクをプレゼントされたシューマッハ © Getty Images
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マイケル(シューマッハ)の20周年記念はF1パドックでもビッグイベントだった。というのも、このスポーツのトップレベルで20年も戦い続けたドライバーは他にいないし、初めてのことだからね。1991年にジョーダンからデビューした彼のことは『Autosport(オートスポーツ)』誌(当時は約4週間の遅れがあったんだけどね!)で読んだ。世界がこの新たな"神童"の登場にいかに熱狂していたかも覚えている。

メルセデスGPが土曜日の夜にマイケルの偉業を祝うパーティーを開き、パドックの全員を招待してくれたんだ。彼が共に5回の世界選手権制覇を成し遂げたフェラーリからはサインが記されたエンジンカバーがプレゼントされ、エディ・ジョーダンからはF1マシンのクラッチ(ジョーダンをドライブしたデビュー戦ではクラッチの故障でリタイアを喫している)が手渡された。また、ヘルメットサプライヤーであるシューベルトは21キャラットの金をあしらえた特別ヘルメットを、ツール・ド・フランスの名選手エディ・メルクスは新しい特別車をそれぞれマイケルに贈っている。シューベルトのスペシャルヘルメットはスパの週末でずっとマイケルが被っていたものだ。ディナーパーティーにしては大漁だね!

F1史上最も成功したドライバーとして、スパの週末に彼が調子を取り戻したことは本当に素晴らしかった。ある意味、ボリス・ベッカーがウインブルドンでそうだったように、彼が得意とするコースで最後尾から5位入賞、しかもチームメイトのニコ・ロズベルグを上回った見事なレースだったと思う。彼のためにもF1のためにも、その調子が続くことを願おう。すぐにでも再び彼が表彰台に上られれば、こんな素敵な話はないでしょ。

それから元チームメイトのブルーノ・セナも週末の大きな話題だった。金曜日のクラッシュや(レースでも)スタートでハイメ・アルグエルスアリに突っ込んだりしたけど、全体的にはとてもいい週末を過ごしていたし、彼がレースの舞台に戻ることができたのは僕自身、本当にうれしい。新しいドライバーに対してチームがチャンスを与えることは素敵なこと。ドイツでトニー・フェルナンデスとリアド・アスマットが僕にそうしてくれたように、ここではエリック・ブーリエがブルーノにチャンスを与えてくれている。結局、僕たちが成長して経験を積むにはコースに出るしかない。短い期間だと苦労もあるだろうけど、長期間であればきっともっとうまくいくだろう。

次はスピードの象徴、モンツァだ。昨年はピザ屋の外で強盗に襲われたけど、それでも僕はモンツァが大好き! サーキットが誇る歴史や特性、そしてイタリアのティフォシたちは世界中のどこを探しても他に類を見ない。実際、最初のシケインに向かうところでフェラーリ・ファン・クラブが催すバーベキューの匂いをかげるのはこのサーキットしかないしね!

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『ESPNF1』のコラムニストとして、カルン・チャンドックが各グランプリを振り返ります。

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0 Karun Chandhok gives his views exclusively to ESPNF1 at the end of every grand prix weekend Karun Chandhok is one of just two Indians to sit on a Formula One starting grid, making his debut in 2010 with HRT. A motor sport fan since he was a kid, in his first year in the paddock he quickly built up a solid reputation, not only as a driver, but also as an impeccable source of F1 trivia. Now he draws on both his first-hand experience and his extensive knowledge to offer his views on the sport he loves.