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ルクレールが万感のF1初優勝!

Jim
2019年9月1日
© Will Taylor-Medhurst/Getty Images
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9月1日(日)にスパ・フランコルシャン・サーキットで開催された2019年FIA F1世界選手権第13戦ベルギーGP決勝レースはフェラーリのシャルル・ルクレールがポール・トゥ・ウインを達成し、F1キャリアで初めての勝利を成し遂げた。

スパの週末はフリー走行を通してフェラーリ勢が好ペースを披露し、予選ではポールシッターに輝いたルクレールに続いてセバスチャン・ベッテルが2番手に入り、フェラーリがフロントローを独占。メルセデスのルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスが2列目からライバルにバトルを挑むことになった。

また、ベルギーGPでは複数のドライバーがエンジン交換を実行しており、予選トップ10入りを果たしたルノーのダニエル・リカルドとニコ・ヒュルケンベルグに加えて、マクラーレンのカルロス・サインツ、レーシング・ポイントのランス・ストロール、レッドブルのアレキサンダー・アルボン、アルファロメオ・レーシングのアントニオ・ジョビナッツィ、トロ・ロッソのダニール・クビアト、ウィリアムズのロバート・クビサがそれぞれエンジンペナルティを受けた。クビアトとサインツはギアボックスも新品を搭載している。

予選Q1でエンジンブローを喫してノータイムに終わったクビサは決勝レースへの出走が認められたものの、パルクフェルメ状態のマシンに修復作業を施したため、ピットレーンスタートを強いられた。

カレンダーの中で最も長い全長7.004kmを誇る高速サーキットのスパ・フランコルシャンで44周にわたって争われた決勝レースは気温16.9度、路面温度26.7度、湿度59.3%のドライコンディションでフォーメーションラップ開始の時刻を迎える。ピレリタイヤはC1からC3のコンパウンドが持ち込まれており、レースではミディアムにあたるC2もしくはハードのC1のどちらかを使用することが義務付けられた。

緊迫のスタートではルクレールが好発進を決めた一方でベッテルはハミルトンにかわされて3番手に後退するも、オー・ルージュを抜けてハミルトンとサイド・バイ・サイドのバトルに持ち込み、速さを生かしてポジションを奪い返した。

また、スタートで出遅れたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がターン1でキミ・ライコネン(アルファロメオ・レーシング)と交錯、ライコネンのマシンが衝撃で一瞬宙に浮き、このインシデントを避けようと複数のドライバーがコース外に逃げるも、混乱に巻き込まれた数名が接触やデブリを踏んで緊急ピットインを強いられている。フェルスタッペンは走行を続けていたものの、接触の影響でステアリングホイールにトラブルを抱えていたようで、方向転換ができず、ウオールに突っ込んでレースを終えた。

レースは黄旗が振られた後、セーフティカーが出動してレッドブルマシンを撤去する間、隊列を率いることになった。

マクラーレンのカルロス・サインツはパワーロスを訴え、オープニングラップを終えてピットインした際に対応を試みたものの、コースに戻ってなお、トラブルは解消されておらず、結局、コース外にマシンを止めてコックピットを離れている。

4周目の終わりにセーフティカーが解除され、迎えたリスタートではロックアップしたベッテルの真後ろからハミルトンがプレッシャーをかけるも、ハミルトンもまたすぐ後ろにいたボッタスを警戒せねばならず、ポジションが入れ替わることはなかった。ルクレールが先頭、ベッテル、ハミルトン、ボッタス、5番手にマクラーレンのランド・ノリスがつけ、ハースF1勢とレーシング・ポイントのセルジオ・ペレス、トロ・ロッソのピエール・ガスリー、ランス・ストロール(レーシング・ポイント)がトップ10に並んでいた。

ルノー勢のエンジンペナルティによって"ベスト・オブ・ザ・レスト"の位置、6番手から決戦に挑むも、フェルスタッペンとの接触で大きくポジションを落としたライコネンはオープニングラップ後と2周目の終わりにピットストップを行い、一時は最後尾に下がっていたが、ウィリアムズ勢を料理した後、コンマ数秒差で8台が連なる前方集団に追いつこうと懸命にマシンをプッシュしている。

その集団の先頭につけていたケビン・マグヌッセン(ハースF1)をペレスがオーバーテイクすると、すかさずガスリーもポジションをひとつ上げ、ペースに苦戦するマグヌッセンはストロールとクビアトにも追い抜かれて11番手に後退した。14周目に入るタイミングでガスリーがピットインしたため、マグヌッセンは再びポイント圏内に戻るも、直後にジョビナッツィにオーバーテイクを許している。

ラップリーダーのルクレールが少しずつリードを広げる中、ベッテルとハミルトンが1秒とないギャップで攻防戦を繰り広げていたが、トップスピードを生かして逃げるベッテルを攻めきれず、後方のボッタスに2.5秒差をつけていたハミルトンは前との距離を少し取ってチャンスを待つ戦法に切り替えた。タイヤ戦略で先に動いたのはフェラーリとベッテルだ。16周目にソフトから新しいミディアムタイヤに履き替え、5番手の位置で隊列に復帰した後、ノリスをかわして4番手に浮上している。

ベッテルと同じタイミングでピットストップを終えたペレスは接近していたライコネンとガスリーの間、13番手の位置に戻った。ただ、スタート直後の接触でマシンにダメージを抱えていたライコネンはペレスとガスリーに挟まれながらオーバーテイクされ、さらにヒュルケンベルグにも追い抜かれて15番手に後退している。

ルクレールにピットインの指示が出たのは21周目、ラップの終わりにピットレーンに入ったルクレールはミディアムタイヤに交換してコース復帰するも、すでにベッテルが4秒以上前に通過した後だった。これを受けてメルセデスも対応に動き、まずはハミルトンをピットに呼び入れてミディアムタイヤに履き替えさせ、1周後にはボッタスもタイヤ交換を完了している。

フェラーリのピットウオールはルクレールに対し、「セバスチャンの後方で戻ることになるが、レース終盤にはすべて問題なくなる」と伝えており、6周早くにピットストップしたベッテルのタイヤがどこまで持ちこたえられるかがカギになりそうだったが、ルクレールは第2スティントの早い段階でペースを上げてベッテルとの間隔を2秒以下にまで縮める。26周目にはレースエンジニアから「このラップの最後にセバスチャンが道を譲ってくれる」と連絡が入り、その言葉通り、ルクレールが再びリードを取り、ベッテルが2番手に陣取るオーダーに代わった。

ただ、ミディアムタイヤに履き替えたメルセデス勢が好ペースを発揮し、フェラーリコンビが1分47秒台のタイムだったのに対して1分46秒台を連発。6秒以上あったギャップを一気に縮めたハミルトンはベッテルのリアを捕らえ、DRSゾーンに突入する。ハミルトンから3秒ほどのポジションにいたボッタスにはベッテルとハミルトンのバトルの状況が報告され、後に訪れるかもしれないチャンスのため、タイヤをしっかりとケアしておくよう指示が飛んだ。

ベッテルを射程圏内に追い込んだハミルトンは32周目のケメルストレートでトウを手に入れ、ル・コームでオーバーテイクを成功させる。ほとんど抵抗できずに抜かれてしまったベッテルは後方からボッタスが迫る中、ピットに入ってタイヤを交換することに。ユーズドのソフトタイヤに切り替え、4番手の位置でコースに戻るもトップ3とは20秒近く差が開いていた。

トップ3のギャップが5秒前後の間隔で落ち着いたレース終盤は入賞を目指す中団グループの競争が激しさを増す。クビアトとアルボンがルノーを駆るリカルドを相次いでオーバーテイクした後、アルボンはさらにクビアトとのホイール・トゥ・ホイールのバトルも制して7番手に上がっている。ホンダエンジン組ではガスリーも入賞圏内につけていたが、遅めにソフトタイヤに履き替えたジョビナッツィにかわされて一度は11番手に下がってしまう。しかしながら、ジョビナッツィに続いてペースダウンしていたリカルドを料理し、再び10番手の座を取り戻してチェッカーを目指した。

残り5周を切るとメルセデス勢が最後のペースアップに打って出る。ルクレールはグリップに苦戦していたようで、ラップあたり0.5秒以上も速いペースで迫るハミルトンに接近を許し、ファイナルラップに入った時点で2人のギャップは1.5秒しかなかった。

周回遅れのマシンが数台いたこともあって、難しい状況に直面していたルクレールだったが、ハミルトンの猛追を振り切ってトップチェッカーを受け、念願のF1初優勝を達成。友人だったアントワーヌ・ユベール――前日のF2レースで発生した事故により命を落とした――を思いながら挑んだレースは「難しい週末だった」と振り返りながらも「ついに夢がかなった」と勝利を喜んだ。

ハミルトンが2位、ボッタスが3位でゴールし、メルセデスはダブル表彰台を達成。ベッテルが4位でチェッカーを受け、最後にペレスをオーバーテイクしたアルボンが5位に入り、自身のベストリザルトを成し遂げている。

6位以下、ペレス、クビアト、ヒュルケンベルグ、ガスリー、ストロールが入賞してポイントを手に入れた。

悲痛を胸に抱きながらスパの一戦を終えたF1サーカスは5日後に開幕を控えたヨーロッパ最終戦に向けて移動を始める。モンツァ・サーキットが舞台のシーズン第14戦イタリアGPは6日(金)に幕を開け、日本時間18時から金曜フリー走行1回目のセッションが行われる予定だ。

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