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4強チームの安定感が際立った開幕戦

Kay Tanaka
2010年3月15日 « 2010年開幕戦ドライバーコメント決勝 | バーレーンGP決勝後の記者会見パート1 »

バーレーンGP決勝レポート | バーレーンGP決勝後のドライバーコメント |

2010年F1世界選手権の開幕戦が終了した。シーズン最初のウイナーとなったのはフェラーリのフェルナンド・アロンソ。チームも1-2を決め、43ポイント獲得のパーフェクトゲームを演じた。また8位までをフェラーリ、マクラーレン、レッドブル、メルセデスGPのマシンが占め、やはり4強のパフォーマンスが際立っていることが証明された。

4強には及ばなかったものの、フォース・インディア、ウィリアムズ、ルノーといったチームがポイント獲得を争った。一方、新規参入チームを含め、7台のマシンがリタイアを喫しているが、その中には日本人ドライバーである小林可夢偉(BMWザウバー)の姿もあった。開幕戦の様子を見た限りでは、可夢偉がポイントを獲得するためにはチームの大きなパフォーマンス改善が必要だろう。新チームではロータスが2台完走を果たし、着実なデビューを果たした。

【マクラーレン】
ジェンソン・バトン(予選:8番手/決勝:7位)
ルイス・ハミルトン(予選:4番手/決勝:3位)

スタート直後にフェリペ・マッサ(フェラーリ)と並びかけたものの、ターン4への進入でミスを犯したことで、マッサだけでなくニコ・ロズベルグ(メルセデスGP)を先行させてしまったルイス・ハミルトン。ロズベルグの後ろではタイヤを労わりながら走っていたが、ペースは明らかに上だった。ピットストップ直後に新品タイヤを履いたハミルトンはロズベルグをパスすることに成功。その後はペースが鈍ったセバスチャン・ベッテル(レッドブル)を冷静にオーバーテイクし、3位表彰台をゲットした。マクラーレンドライバーとしての第一歩を踏み出したジェンソン・バトンは、予選で振るわなかったことがレースにも影響してしまったと言えよう。ミハエル・シューマッハ(メルセデスGP)のリアウイングを見ながらレースの大部分を過ごすことになったのだ。終盤にはオーバーテイクの期待が高まったものの、真後ろにマーク・ウェバー(レッドブル)が迫っている展開ではリスクを負ったアタックは難しかった。

【メルセデスGP】
ミハエル・シューマッハ(予選:7番手/決勝:6位)
ニコ・ロズベルグ(予選:5番手/決勝:5位)

ニコ・ロズベルグは、週末を通じてミハエル・シューマッハを上回ることに成功。しかし、ソフトタイヤを履いていた周回数が多かったことが災いし、ピットストップ後にルイス・ハミルトン(マクラーレン)の先行を許してしまった。終盤にトラブルを抱えたセバスチャン・ベッテル(レッドブル)をパスできなかったことを悔やんでいるかもしれないが、摩耗したタイヤと近づいたときに乱気流を受けたことを考えれば、難しい挑戦だったかもしれない。一方のシューマッハはスタートでマーク・ウェバー(レッドブル)をかわしたが、特別な輝きを放てないままレースを終えた。フリー走行からロズベルグのペースにコンマ数秒ずつ遅れていたことを考えれば今後の改善は必須だが、3年以上のブランクを考えれば上々の結果だろう。

【レッドブル】
セバスチャン・ベッテル(予選:ポールポジション/決勝:4位)
マーク・ウェバー(予選:6番手/決勝:8位)

レースに"たられば"は禁物だが、エキゾーストの割れというトラブルに見舞われなかったとしたら、セバスチャン・ベッテルはフェラーリ勢を抑えて勝利を手にしていたことだろう。第1スティントを終えたときにはフェラーリ勢に大きなマージンを築いていたベッテルだが、トラブルに泣いた。それでも、トラブルを抱えた状態でニコ・ロズベルグ(メルセデスGP)以下を抑えることに成功したのは高く評価されるべきだ。長いチャンピオンシップを考えれば、序盤戦でできるだけ多くのポイントを手にすることは重要なのだ。一方のマーク・ウェバーは汚れた側のグリッドからスタートしたことも影響し、序盤にポジションを落とした。さらにピットストップではジェンソン・バトン(マクラーレン)にかわされ、最終的には4強チームの中では最後尾となる8位でゴールしている。

【フェラーリ】
フェルナンド・アロンソ(予選:3番手/決勝:優勝)
フェリペ・マッサ(予選:2番手/決勝:2位)

最終的には余裕の勝利を決めたフェルナンド・アロンソだが、トップに立ってからプッシュを重ねてファステストラップをたたき出し、安定したペースを継続したことが勝因。それでも、序盤からレースを引っ張ったセバスチャン・ベッテル(レッドブル)にトラブルが発生していなかったとしたら、アロンソが彼をオーバーテイクするのは難しかったかもしれない。今シーズンのレースは予選がカギを握るということは、アロンソ自身も良く理解しているはずだ。一方のフェリペ・マッサはスタート位置の路面が汚れていたことに影響を受け、スタートでアロンソにかわされてしまったが、ターン4でルイス・ハミルトン(マクラーレン)を抑え込むことに成功。ペース的にはアロンソと同等の力があったものの、レース中盤になってエンジンを労わったドライブをするようにとチームから指示されたこともあり、アロンソに追いすがることはできなかった。

【ウィリアムズ】
ルーベンス・バリチェロ(予選:11番手/決勝:10位)
ニコ・ヒュルケンベルグ(予選:13番手/決勝:14位)

ハードタイヤでロングスティントを走るという作戦が役に立ったものの、"それなり"のパフォーマンスしか有していないウィリアムズのマシンでは1ポイントのみ獲得することになったルーベンス・バリチェロ。さらに多くのポイントを手にするためには、上位勢がリタイアに終わることが必要と冷静に分析しているようだ。ニコ・ヒュルケンベルグのデビュー戦は3周目にスピンを喫したことが注目を集めた。その後はポイント圏外での走りが続いたのだが、堅実な初レースだった。

【ルノー】
ロバート・クビサ(予選:9番手/決勝:11位)
ヴィタリー・ペトロフ(予選:17番手/リタイア)

スタート直後にマーク・ウェバー(レッドブル)が白煙とともにまいたオイルに乗ってスピンし、タイヤにトラブルを抱えてしまっては、2008年のポールシッターであるロバート・クビサといえども入賞は厳しかった。それでも、中団走行中には好ペースを刻むこともでき、それなりに満足しているようだ。新人のヴィタリー・ペトロフはスタート直後に大きくポジションを上げ、一時は入賞圏内目前まで迫るという堅実な走りっぷりを見せた。しかし縁石に乗り上げすぎてサスペンションにダメージを負い、最終的にはガレージでリタイアとなっている。

スピンがなければ、スーティルが4強を脅かす存在になっていた? © Sutton Images
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【フォース・インディア】
エイドリアン・スーティル(予選:10番手/決勝:12位)
ビタントニオ・リウッツィ(予選:12番手/決勝:9位)

スタート直後にマーク・ウェバー(レッドブル)がまいたオイルによってスピンしたエイドリアン・スーティルは、10番手から21番手までポジションを落としてしまった。それでも安定した好ペースを発揮し、ファイナルラップには1分59秒393という全体の2番手タイムをたたき出している。一方のビタントニオ・リウッツィは混乱を避けて着実にポジションを上げ、4強に続く9位入賞。ポイントを獲得したのは、トロ・ロッソ時代の2007年中国GP以来だ。

【トロ・ロッソ】
セバスチャン・ブエミ(予選:15番手/決勝:16位)
ハイメ・アルグエルスアリ(予選:18番手/決勝:13位)

ペースが振るわなかったハイメ・アルグエルスアリだが、レース中に初めて2分を切るファステストラップをたたき出した。セバスチャン・ブエミは第1スティントを長くとってハードタイヤを履き、ポイント圏内を走るシーンもあった。しかし残り2周というところでエンジントラブルに見舞われ、コース脇でストップ。2年目シーズンの開幕戦は完走扱いとなった。

【ロータス】
ヤルノ・トゥルーリ(予選:20番手/決勝:17位)
ヘイキ・コバライネン(予選:21番手/決勝:15位)

既存チームと比べればその力の差は歴然としていたが、ロータスは2台が完走を果たした。ヘイキ・コバライネンは堅実な走りを披露し、順位の上ではセバスチャン・ブエミ(トロ・ロッソ)を上回ることに成功した。ヤルノ・トゥルーリはオープニングラップでグラベルにはみ出し、その後はアンダーステアとハイドロリックトラブルを抱えたものの、チームメイトに続いて完走。ファイナルラップでコース脇にマシンを止めたが、チームのデビュー戦は上々と言えるだろう。

【HRT】
カルン・チャンドック(予選:24番手/決勝:リタイア)
ブルーノ・セナ(予選:23番手/決勝:リタイア)

予選で初めて自分のマシンを操ったことを考えれば、レースにおける最初のリタイアがカルン・チャンドックというのは当然だろう。リタイアした場所はほとんどのドライバーが「バンプがひどい」と訴えていたコーナーだが、チャンドックは「どこにバンプがあるのか知らなかった」ため、弾き飛ばされてウオールにヒットし、マシンを降りている。ブルーノ・セナはフリー走行をいくらか走れたことが功を奏したのか、レースで17周を走ることができた。リタイア原因はエンジントラブルだが、2008年11月にHonda Racing F1のテストをして以来F1マシンに乗っていなかったことを考えれば、評価できる戦いぶりだった。

【BMWザウバー】
ペドロ・デ・ラ・ロサ(予選:14番手/決勝:リタイア)
小林可夢偉(予選:16番手/決勝:リタイア)

シーズン開幕前までは"4強に追随するチーム"との呼び声も高かったBMWザウバーだが、レースでは2台そろってリタイアとなった。小林可夢偉とペドロ・デ・ラ・ロサはいずれもハイドロリック系のトラブルに見舞われており、早急な対策が必要だろう。スタート直後に12番手までポジションを上げた可夢偉だったが、ハードタイヤを履いていたことが、ソフトタイヤでスタートしたデ・ラ・ロサとのペースの違いを生んでしまった模様。オフシーズンテストから路面のバンプに大きく影響を受けることが確認されていたが、今回のレースでもその欠点が露呈した。

【ヴァージン】
ティモ・グロック(予選:19番手/決勝:リタイア)
ルーカス・ディ・グラッシ(予選:22番手/決勝:リタイア)

ヘイキ・コバライネン(ロータス)とバトルを演じたティモ・グロックだったが、3速ギアを失い、その後5速ギアも壊れてリタイアとなった。ルーカス・ディ・グラッシはハイドロリックのトラブルによってリタイア。ほとんど走行できない週末となった。

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