オーストリアGP

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ボッタス優勝! ルクレールとノリスが表彰台

Jim
2020年7月5日
© Dan Istitene - Formula 1/Formula 1 via Getty Image
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シュピールベルクにあるレッドブル・リンクを舞台に5日(日)、2020年FIA F1世界選手権第1戦オーストリアGP決勝レースが開催され、メルセデスのバルテリ・ボッタスが危なげない走りでポール・トゥ・ウインを達成した。

4カ月遅れで迎えたF1シーズンはスケジュールの変更により、オーストリアでようやく開幕戦に挑むこととなり、今年はじめてのグランプリ週末は全体的にタイムが接近していたものの、頭ひとつ抜けていたのがメルセデス。予選ではバルテリ・ボッタスがコースレコード更新となる1分02秒939をたたき出してポールポジションを獲得。僚友ルイス・ハミルトンが0.012秒差の2番手タイムを刻んだが、予選Q3終盤にボッタスがコースオフを喫して掲示された黄旗を無視したとして3グリッド降格を受け、スタート位置は5番手に下がった。土曜日の審議ではおとがめなしの裁定が下っていたが、レースを目前にレッドブルから再度審議するよう要請があり、裁定を見直したスチュワードは最終的にハミルトンにペナルティを科すことで結審している。

全長4.326kmのレッドブル・リンクで71周にわたって争われた決勝は快晴に恵まれ、気温27.7度、路面温度54.1度、湿度35.2%のドライコンディションでスタート時刻を迎える。上位10グリッドではハミルトンのペナルティによってフロントローを確保したレッドブルのマックス・フェルスタッペンだけが予選Q2をミディアムタイヤで切り抜けており、それ以外はソフトタイヤで第1スティントに臨んだ。

好発進を決めたボッタスの後方で、スタートダッシュが難しいミディアムタイヤを履くフェルスタッペンはやや苦戦し、3番グリッドに並んだマクラーレンのランド・ノリスにプレッシャーをかけられるが、なんとか抑えて2番手をキープしている。ノリスの真後ろにはレッドブルのアレックス・アルボンがピタリとつけ、ハミルトンとの攻防戦を繰り広げていたものの、ハミルトンは思うようにペースが上がらないようでオーバーテイクに持ち込めず。ただ、ペースに苦しんでいた様子のノリスをアルボンがかわした直後にはハミルトンも追い抜きを成功させて4番手に上がり、さらに9周目にはハミルトンがアルボンに対するオーバーテイクを決めてまたひとつポジションを取り戻した。

順調にペースを上げて後続車を引き離しにかかるボッタスは10周目に入った時点でフェルスタッペンに3.3秒のリードを築き、ハミルトンはさらに4秒後方から追いかける展開になると思われた矢先、フェルスタッペンがスローダウンを強いられる。トラブルに見舞われたようで、コース上でストップすることはなかったが、すべてのドライバーに追い抜かれて最後尾に下がった。なんとかピットにたどり着き、待ち構えていたクルーがステアリングホイールの交換など即座の修復を試みるも発進できず、結局、マシンを降りることになった。フェルスタッペンは問題が発生した直後、「パワーを失った」と報告しており、低速走行中にはアンチストールに入り続けると訴えていた。

フェルスタッペンの離脱で前が開けたハミルトンはファステストラップを刻みながら徐々にボッタスとの差を縮め、すでにアルボンには8秒のリードを確保するなど、メルセデス勢が1-2フィニッシュに向けて盤石の体制を整えていく。

そんな中、19周目にはまた1人、テクニカルトラブルを抱えて戦線離脱を余儀なくされた。10番手を走っていたルノーのダニエル・リカルドがペースを落とし、ピットへの帰還は果たしたものの、コースには戻れずに万事休す。他に、レーシング・ポイントのランス・ストロールもペースに苦戦しており、無線で「ペースが足りない!」と訴え続けていた。数周を粘った末、最終的には状況を確認していたチームの指示でピットレーンに入ってそのままガレージにマシンを入れている。

波乱の展開が終わることはなく、エステバン・オコン(ルノー)からプレッシャーを受けていたケビン・マグヌッセン(ハースF1)がワイドにふくらんでコースオフを喫し、グラベルに乗り上げてしまう。タイヤバリアにリアウイングをぶつけてしまったマグヌッセンはその場でコックピットを離れてレースを終えた。これでセーフティカーが出動となり、それを確認したチームらがピットストップに動く。

ダブルストップを敢行したメルセデスはボッタスとハミルトンともにソフトからハードタイヤに交換、アルボンも同じタイヤ戦略でおそらくは最初で最後となるピットストップを完了している。4番手につけていたノリスがピット作業に手間取ってしまい、前方のピットボックスからタイヤ交換を終えて出てきたペレスとあわや接触の危機に直面。すでにノリスがピットレーンを走行していたことから、レーシング・ポイントのアンセーフリリースが問題視される可能性が浮上した。

レースを続けていた他の15台がいずれもハードタイヤを履いた一方、唯一、第2スティントにミディアムタイヤを選んだペレスはコース上でノリスをかわして4番手に浮上。タイヤのアドバンテージを生かしながら、タイヤが苦しくなってくる終盤に向けてできる限り多くのリードを築くことに集中した。

30周目にセーフティカーが解除された後、ハミルトンがファステストラップを連発してボッタスにプレッシャーをかけていたことも相まってか、メルセデスの2人は3番手以下に大量リードを築いて優位にレースを運ぶ。センサーに不具合があるとの無線連絡を受けたハミルトンは、その返答に代えてボッタスが自身と比べて大きく縁石を使っていることが気になると返したが、それから数分と経たずしてメルセデスは両ドライバーに対し、「縁石から距離を取るように」と指示を出した。ハミルトンのセンサートラブルはギアボックスセンサーによるものとのことで、報告を受けたハミルトンはコンマ数秒差をキープしていたボッタスとの距離を取った。

ハプニングはまだまだ終わらず、ハースF1のロマン・グロージャンがコースオフを喫した直後、コース上ではウィリアムズのジョージ・ラッセルがスローダウンを喫し、必死にマシンを操ってピットを目指すも、エンジンブローが激しく、コーナー内側の芝生に停車を余儀なくされた。これで再びセーフティカーが出動し、メルセデスは両ドライバーともステイアウトを指示したが、アルボンはピットに戻ってユーズドのソフトタイヤに交換している。ペレスがコースにとどまったため、ポジションはペレスが前に出て3番手につけていた。

51周目から54周目の終わりまで隊列を率いたセーフティカーが解除されるも、リスタートと同時に速度を上げたキミ・ライコネンのアルファロメオ・レーシングの右フロントタイヤが脱落。外れたタイヤがコースを横切ってしまい、ライコネンの真後ろにいたベッテルなど後続車は肝を冷やしたが、このインシデントで被害を受けたのはライコネンのマシンだけだった。

この日3度目のセーフティカー出動は5周で解除を迎え、リスタートでハミルトンとの距離をつめたアルボンがターン4でアウト側からオーバーテイクを仕掛けるも、インサイドを取ったハミルトンと接触してスピンを喫してしまった。グラベルに乗り上げて大きくタイムロスしたアルボンは最後尾に後退しながらもレースは続けている。リプレー映像を見ると、ターン4進入時にはアルボンが先行しており、アルボンの右リアタイヤとハミルトンの左リアタイヤが交錯してインシデントが起きたようだ。この一件はスチュワードの審議対象となり、裁定はハミルトンがインシデントを引き起こしたとして5秒のタイムペナルティが科されている。ハミルトンがチェッカーフラッグを受けるまでピットストップしなかったため、レースタイムにペナルティが加算された。

さらに、レース終了目前のタイミングでペレスにも5秒ペナルティが科され、表彰台を争うドライバーたちに大きなチャンスが訪れる。ペレスのペナルティが確定するまでにノリスとペレスを料理していたルクレールが3番手につけており、タイヤがきつくなっていたペレスはマクラーレンの2台にも抜かれてチェッカーフラッグを受けることに。

レース終盤に注目となったのは2番手を走りながらも5秒ペナルティを控えるハミルトンと、4番手を走るノリスのギャップだ。ハミルトンの処分が決まった時点で7秒近いギャップがあったものの、ノリスはファイナルラップでファステストラップを刻み、その差を4.8秒に縮めてゴールした。

結果、ボッタスがポール・トゥ・ウインを決め、ルクレールが2位、ノリスがF1キャリア初となる表彰台で3位フィニッシュを果たした。

2番目にチェッカーを受けたハミルトンは4位に後退、他に、サインツ、ペレス、ピエール・ガスリー(アルファ・タウリ)、オコン、アントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ・レーシング)、ベッテルが10位でポイントを獲得している。

アルファ・タウリのダニール・クビアトはファイナルラップを目前にリタイア、ハミルトンとの接触後もレースを続けていたアルボンはクビアトより1周前にコース脇にマシンを止めているが、いずれも完走扱いとなり、11位でゴールしたニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)を含めて完走は13台、7台がリタイアを喫した。

F1サーカスはこのままシュピールベルクの地にとどまり、連戦で迎えるシーズン第2戦シュタイアーマルクGPに挑む。同じレッドブル・リンクで7月10日(金)に開幕する次戦の初回セッションは日本時間18時にスタートする予定だ。

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