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白熱のレースにおとがめなし、週末には珍しい違反も

M.S.
2019年7月3日 « オーストリアGPのドライバー・オブ・ザ・デーにフェルスタッペン | 2台のエンジンが5基目に »
© JOE KLAMAR / AFP
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レース内容を左右するペナルティのあり方に疑問が持たれる中、シーズン第9戦オーストリアGPでは白熱したバトルに罰則が下されることなく、レッドブル・ホンダがコンビを組んで以来で初の優勝を決めている。

審議対象となったのはレースの残り3周でレッドブルのマックス・フェルスタッペンがフェラーリのシャルル・ルクレールからリードを奪った際に両者が接触し、ルクレールがコースオフを強いられた件だった。レース後の長い審議を経て、一件はレーシングインシデントとして扱われ、それ以上の対応はないことが明らかにされている。

レース終盤の猛追で優勝をつかんだレッドブルとフェルスタッペンがこの裁定に満足しているのはもちろんだが、ルクレールの初優勝を逃したフェラーリ側も裁定を不服とする一方でスチュワートの判断を尊重し、上訴しない意向を表明している。

フェラーリはカナダGPでセバスチャン・ベッテルの勝利を水泡に帰したペナルティに対して再調査を申請していたものの、これは棄却されていた。

グランプリ初日にはアントニオ・ジョビナッツィのマシンに搭載された燃料がフリー走行2回目の1時間前に記録された気温より17度低かった件が取り沙汰され、チームに罰金が科されるという珍しいケースが見られた。テクニカルレギュレーションでは即時的な使用を想定されている燃料は10度を超える範囲で気温を下回ってはならないとされている。

また、決勝レースの開始前にはスタートのシグナル前にグリッド上で動いたとしてハースF1のケビン・マグヌッセンがドライブスルーペナルティを言い渡された。

その他を含め、オーストリアGPの週末を通してスチュワードが審議し、何らかの処分を下したインシデントおよびペナルティの詳細は以下の通り。

オーストリアGP初日:6月28日(金)

【金曜フリー走行1回目】

◆カルロス・サインツ(マクラーレン)
違反内容:4基目の内燃機関(エンジン/ICE)、4基目のターボチャージャー(TC)、4基目のMGU-H、3基目のMGU-K、3基目のエナジーストア(ES)を使用、FIA F1スポーティングレギュレーション第23条3項(a)に違反
裁定:スターティンググリッド後方からのスタート
裁定理由:FIA F1スポーティングレギュレーション第23条3項(b)に則り、上記のペナルティが科された。

◆アレキサンダー・アルボン(トロ・ロッソ)
違反内容:4基目の内燃機関(エンジン/ICE)、3基目のMGU-Kを使用、FIA F1スポーティングレギュレーション第23条3項(a)に違反
裁定:スターティンググリッド後方からのスタート
裁定理由:FIA F1スポーティングレギュレーション第23条3項(b)に則り、上記のペナルティが科された。

【金曜フリー走行2回目】

◆アントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ・レーシング)
違反内容:即時的な使用を想定する燃料がフリー走行2回目の1時間前にFIA指定の気象サービスが記録した気温を摂氏13度下回る、FIA F1テクニカルレギュレーション第6条5項2に違反
裁定:アルファロメオ・レーシングに罰金5,000ユーロ(約61万円)
裁定理由:スチュワードはテレメトリーの証拠を調査するとともにチーム代表者とFIA技術委員から事情を聴取し、即時的な使用を想定した燃料がFIA指定の気象サービスによってフリー走行2回目の1時間前に記録された気温を13度下回ったことを確認した。FIA F1テクニカルレギュレーション第6章5項2ではマシンに搭載されて即時的な使用が想定された燃料は全て、気温を10度よりも多く下回ってはならないとされている。本件では気温は摂氏30度とされ、燃料の温度は17度以下だった。チーム代表者は温度がテクニカルレギュレーションの規定より低かったことを認めている。この違反がフリー走行2回目で起きたことを鑑み、スチュワードは上記の罰金を科すものとする。

オーストリアGP2日目:6月29日(土)

(土曜フリー走行はペナルティなし)

【予選】

◆アレキサンダー・アルボン(トロ・ロッソ)
違反内容:5基目の内燃機関(エンジン/ICE)、4基目のターボチャージャー(TC)、4基目のMGU-H、4基目のMGU-Kを使用、FIA F1スポーティングレギュレーション第23条3項(a)に違反
裁定:スターティンググリッド後方からのスタート
裁定理由:FIA F1スポーティングレギュレーション第23条3項(b)に則り、上記のペナルティが科された。なお、このペナルティはこれに先立つ違反によって当該コンペティターがスターティンググリッド後方からのスタートを義務づけられた事実を変えるものではない。

◆ニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)
違反内容:5基目の内燃機関(エンジン/ICE)を使用、FIA F1スポーティングレギュレーション第23条3項(a)に違反
裁定:5グリッド降格
裁定理由:FIA F1スポーティングレギュレーション第23条3項(b)に則り、上記のペナルティが科された。

◆ケビン・マグヌッセン(ハースF1)
違反内容:ギアボックス交換、FIA F1スポーティングレギュレーション第23条5項(a)に違反
裁定:5グリッド降格
裁定理由:カーナンバー20(マグヌッセン)のギアボックスが6戦連続の使用期間を満たす前に交換されたため。

◆ジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)
違反内容:ターン9でカーナンバー26(ダニール・クビアト/トロ・ロッソ)を不必要に妨害、FIA F1スポーティングレギュレーション第31条5項に違反
裁定:FIA F1スポーティングレギュレーション第31条4項に基づく3グリッド降格、およびペナルティポイント1点(12カ月有効)
裁定理由:スチュワードは証拠映像を確認し、カーナンバー26のドライバー、カーナンバー63のドライバー(ラッセル)、およびチーム代表者らから事情を聴取し、カーナンバー63がターン9のエイペックスの後でカーナンバー26を不必要に妨害したと判断した。スチュワードはカーナンバー63がファストラップで接近しているカーナンバー26についてチームから必要な警告が折よく届けられなかったことに留意している。さらに、カーナンバー26がスローラップ中だったカーナンバー63をこのインシデントの直前にオーバーテイクしていたことも状況を悪化させていた。

ラッセルの累積ペナルティポイント:1ポイント(2019年6月29日時点)

◆ルイス・ハミルトン(メルセデス)
違反内容:ターン3でカーナンバー7(キミ・ライコネン/アルファロメオ・レーシング)を妨害、FIA F1スポーティングレギュレーション第31条5項に違反
裁定:FIA F1スポーティングレギュレーション第31条4項に基づく3グリッド降格、およびペナルティポイント1点(12カ月有効)
裁定理由:スチュワードは証拠映像を確認し、カーナンバー7のドライバー、カーナンバー44のドライバー(ハミルトン)、およびチーム代表者らから事情を聴取し、カーナンバー44がターン3でカーナンバー7を不必要に妨害したと判断した。カーナンバー44はピットから出てきたばかりで、カーナンバー7を含む接近しつつあるマシンについて情報を得ていた。カーンバー44はファストラップ中のカーナンバー7が近づいていることに気づいた際に回避行動をとろうとしたものの、カーナンバー7の妨害を避けられるほど効果的ではなく、カーナンバー7はラップのアボートを強いられた。

ハミルトンの累積ペナルティポイント:1ポイント(2019年6月29日時点)

◆ジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)
違反内容:マシンがパルクフェルメ状態に置かれている際にフロントウイングアセンブリーを異なるものに交換、FIA F1スポーティングレギュレーション第34条2項(n)に違反
裁定:第36条2項の手順に従ってのピットレーンスタート
裁定理由:フロントウイングアセンブリーが予選で使用されたものと異なり、第34条2項が定めるように要望書の提出を受けたFIA技術委員の承認によって交換されていた。マシンがパルクフェルメ状態にあるときにパーツが変更されたため、当該コンペティターはFIA F1スポーティングレギュレーション第34条6項によってピットレーンからのスタートが義務づけられる。

オーストリアGP決勝:6月30日(日)

【決勝】

◆ケビン・マグヌッセン(ハースF1)
違反内容:スタートシグナル掲示前に移動、FIA F1スポーティングレギュレーション第36条13項に違反
裁定:ドライブスルーペナルティ、およびペナルティポイント2点(12カ月有効)
裁定理由:スチュワードは映像証拠および各マシンに設置されたFIAが認可供給するトランスポンダーの情報に基づくジャンプスタートのレポートを調査し、カーナンバー20(マグヌッセン)がスタートシグナルの掲示前に動いたことを確認した。カーナンバー20が赤いライトが点灯している際に前方に動いたことからこれははっきりと視認でき、これによってスタートポジションから逸脱していた。これはFIA国際スポーティングコード第8条6項1(b)に違反する。カーナンバー20がスタートシグナル前に動いたものの、彼はそうすることによって何らアドバンテージを得ていないとスチュワードは判断した。アドバンテージがない際のこの違反に対するペナルティはドライブスルーペナルティとなっている。われわれはそれに応じてこの裁定を下すものである。

マグヌッセンの累積ペナルティポイント:3ポイント(2019年6月30日時点)

オーストラリアGP:開幕戦では3チームに罰金
バーレーンGP:レース中のインシデントは全ておとがめなし
中国GP:レッドブル&トロ・ロッソ勢のみが処罰の対象に
アゼルバイジャンGP:燃料流量違反とウイングのたわみで予選除外処分
スペインGP:ルノー、不適切なウイング交換でペナルティ
モナコGP:苦戦をものがたる大量ペナルティ
カナダGP:物議をかもしたベッテルのペナルティ
フランスGP:コース逸脱と復帰に厳しい判断

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