オーストリアGP

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フェルスタッペンの大逆転勝利!

Jim
2019年6月30日
© JOE KLAMAR / AFP
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シュピールベルクにあるレッドブル・リンクを舞台に30日(日)、2019年FIA F1世界選手権第9戦オーストリアGP決勝レースが開催され、スタートで大きく出遅れながらもレッドブルのマックス・フェルスタッペンが大逆転優勝を果たした。

今週末を通して好調をキープしていたフェラーリのシャルル・ルクレールがポールポジションを獲得した予選では、メルセデスのルイス・ハミルトンが2番手タイムを残すも、Q1序盤に他車の走行を妨害したとして3グリッド降格処分を受けてしまい、他のドライバーのペナルティもあったことからスタート位置は4番手に後退。ホームレースに挑んだフェルスタッペンがフロントローに並び、メルセデスのバルテリ・ボッタスが3番手からスタートしている。

レッドブル・リンクで新しいパワーユニットを投入したトロ・ロッソのアレキサンダー・アルボンとマクラーレンのカルロス・サインツが最後尾スタートとなり、ハミルトン同様に予選で他車の走行を妨害してしまったウィリアムズのジョージ・ラッセルにも3グリッド降格ペナルティが科せられたが、セッション後にマシンにダメージが確認され、パーツ交換のため、レースはピットレーンからスタートすることになった。他に、ルノーのニコ・ヒュルケンベルグがエンジンコンポーネントの交換で、ハースF1のケビン・マグヌッセンがギアボックス交換に伴ってそれぞれ5グリッド降格処分を受けている。

全長4.326kmのレッドブル・リンクで71周にわたって争われた決勝は快晴に恵まれ、気温33.5度、路面温度51.5度、湿度20.7%のドライコンディションでスタート時刻を迎える。

予選Q2をソフトタイヤで切り抜けたルクレールの一方で、フェルスタッペンとメルセデス勢はミディアムタイヤで突破しており、上位勢のタイヤ戦略が分かれた第1スティントとなった。ピレリはシュピールベルクにC2からC4のドライタイヤを持ち込んでおり、レースではミディアムもしくはハードのタイヤセットを使用することが義務付けられている。第1スティントに自由にタイヤを選べる11番手以降の面々は全車が新品のミディアムタイヤを選択した。

注目のスタートでは2番グリッドのフェルスタッペンが大きく出遅れ、メルセデス勢に加えてマクラーレンのランド・ノリスなど多くのドライバーに追い抜かれてしまう。ノリスはハミルトンを抜いて3番手につけていたが、すぐに抜き返されると、アルファロメオ・レーシングのキミ・ライコネンにもかわされている。とはいえ、スタートと同じ5番手は死守し、ライコネンの背中を追いかけながら後方に迫るセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)のプレッシャーに対応した。

予選Q2終盤にトラブルが発生した関係でQ3に参加できなかったベッテルだが、レースペースは悪くないようで、DRSが解禁された直後、4周目にノリスをオーバーテイクして5番手に上がり、さらにライコネンも料理して4番手の座を手に入れている。

ベッテルに抜かれたノリスは接近してきたフェルスタッペンも抑えきれず、6番手に浮上したフェルスタッペンはすぐさまライコネンに近づき、9周目にオーバーテイクを成功させた。

スタート前、グリッドポジションを誤った可能性があるとして審議対象になっていたマグヌッセンが最初にピットストップを完了。ソフトからハードに履き替え、最後尾でコース復帰するも、その直後、グリッドの一件でドライブスルーペナルティを受けた。すぐにペナルティを消化したマグヌッセンは19番手のロバート・クビサ(ウィリアムズ)から30秒ほど後方の位置でレースを続けている。

レースの4分の1が終わった時点でトップのルクレールは3.7秒のリードを築き、ボッタスとハミルトンの間には2.3秒前後のギャップがあった。ハミルトンから4番手のベッテルまでは3.4秒、さらにそこから4.7秒後方にフェルスタッペンが控えていた。

ルクレールがリードを広げる中、もう1台の跳ね馬を駆るベッテルもペースを上げてハミルトンに接近し、コンマ数秒速いラップタイムを生かしていくが、ボッタスがピットインしたのを見てベッテルも動く。ボッタスはベッテルのピットボックス入りを待って若干のタイムロスがあったものの、ベッテルの方はタイヤの準備が整っておらず、クルーが慌ててガレージから出てくることに・・・。結局、タイヤ交換に手間取って作業時間は6秒以上を記録してしまった。次のラップでタイヤ交換を実施したルクレールは2.6秒でピットアウトしている。

ミディアム勢ではハミルトンとフェルスタッペンがステイアウトを選択し、ルクレールが3番手の位置でコースに復帰、5秒ほど遅れてボッタス、ベッテルはギャップが開いてメルセデスマシンの7秒後ろに陣取っていたが、ラップリーダーに躍り出ていたハミルトンが「ダウンフォースを失った」と報告しており、ラップタイムもかなり落ちてしまった。ハミルトンは31周目に入るタイミングでピットに向かい、ミディアムからハードに履き替える間にフロントウイングも新しいものと交換している。リプレー映像を見ると、ハミルトンは縁石でフロントウイングを傷めてしまったようだ。

ハミルトンのトラブルを確認したレッドブルはすぐにフェルスタッペンをピットに呼び入れ、ハミルトンの前でコース復帰させることに成功。上位勢が1回目のピットストップを完了した時点でルクレールが先頭、4秒差でボッタスが続き、5.3秒後方にベッテル、フェルスタッペンが4番手に上がり、ハミルトンはレッドブルに5秒以上離されていた。

トップ4が1分08秒台に入れて自己ベストを更新していく一方、ハミルトンは1分09秒台にとどまり、思うようにペースが上がっていかない。チームからレース終盤には団子状態になることが予想されるため、前のマシンに遅れぬようにとの指示を受けると、なんとか1分08秒台に乗せていくも、それでもライバルたちに比べると苦戦しているようだった。

サインツは42周のロングスティントを走ってピットに入り、ハードタイヤを選んで次のスティントをスタートさせている。それ以上に第1スティントを長く取ったのがルノーのダニエル・リカルドだ。リカルドは結局、47周を走ってピットイン、ユーズドのソフトタイヤを履いて14番手の位置でコースに隊列に加わった。

レース後半に入って好パフォーマンスを発揮したのはフェルスタッペン。ベッテルとの差を1秒と少しに縮め、0.2秒前後速いラップタイムを刻みながら47周目にはベッテルのDRSゾーンに入る。ターン1のアドバンテージを生かしてオーバーテイクを狙うフェルスタッペンだが、ベッテルも簡単には抜かさせない。数度目のアタックでベッテルを料理したフェルスタッペンの走りに、グランドスタンドに集結した大応援団が大歓声をとどろかせてサポート体制を強化している。

フェルスタッペンに抜かれたベッテルはハードタイヤが苦しかったのか、ピットに戻ってタイヤをソフトに切り替える。新しいソフトタイヤを履いたベッテルはハミルトンの後方で隊列に戻り、1分07秒台のファステストラップを刻みながらハミルトンとのギャップを縮めにかかった。

ボッタスの背中をとらえたフェルスタッペンが「パワーがなくなってきている!」と悲痛を上げたのは55周目。レッドブルのピットウオールに緊張が走ったものの、エンジニアの指示を受けながら対応したフェルスタッペンはすぐさまペースを取り戻し、パワーロスを訴えた次の周回にはターン3でボッタスをオーバーテイクしている。

トラブルの懸念はなくなったのか、フェルスタッペンの加速は止まらず、ソフトタイヤを履くベッテルよりも速いペースでファステストラップを連発しながら先頭を走るルクレールに接近していく。対するルクレールは周回遅れのマシンに対応しつつ、最後まで走りきれるようタイヤをケアしながらのレースを強いられた。

残り6周を切ってフェラーリマシンのDRSゾーンに入ったフェルスタッペンは防戦一方のルクレールに果敢に攻撃を仕掛けるが、初優勝のかかるルクレールも懸命にマシンを操ってリードを守ろうと必死だ。しかしながら、69周目にターン3への飛び込みでインを突いたフェルスタッペンがサイド・バイ・サイドに持ち込み、ルクレールもハードディフェンスで応じたが、タイヤ同士が接触した結果、ルクレールがコースを飛び出すこととなり、フェルスタッペンがリードを奪取。

フェルスタッペンはルクレールが「ステアを切ってきた」と主張し、ルクレールは「なんだあれ!」と憤慨。この一件はスチュワードの審議対象となったが、レース後に2人から話を聞いた上で下された裁定は「おとがめなし」だった。

結局、フェルスタッペンに抜かれてからはルクレールに追いかけるパワーはなく、少しずつ差が開いていった。後方ではベッテルがハミルトンに追いつき、タイヤのアドバンテージを生かしてオーバーテイクを成功させている。

白熱のレースは71周を走破してフェルスタッペンがトップチェッカー、オーストリアGPで2連覇を達成すると同時に、レッドブル・ホンダとしての初勝利をマークした。ルクレールはフェルスタッペンに2.724秒遅れの2位、ボッタスが3位フィニッシュを果たして表彰台に上っている。4位以下、入賞はベッテル、ハミルトン、ノリス、ガスリー、サインツ、ライコネン、ジョビナッツィだ。

トロ・ロッソのアルボンとクビアトは15位と17位で完走を果たした。

次回、F1サーカスはモータースポーツ発祥の地シルバーストーン・サーキットにて再集結する。シーズン第10戦イギリスGPは7月12日(金)に開幕し、初回セッションとなる金曜フリー走行1回目は6日(金)日本時間18時にスタートする予定だ。

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