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17件のペナルティが科されたオーストリア

M.S.
2016年7月6日 « 来年のレギュレーションに胸躍らせるニューイ | ハミルトンに忍び寄るグリッド降格の危機 »
© Mark Sutton/Sutton Images
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スチュワードにとってきわめて忙しい週末となったシーズン第9戦オーストリアGPでは、延べ17件のペナルティが発令された。

審議対象となる行為が最も集中したのは、予選Q1でダニール・クビアト(トロ・ロッソ)のクラッシュを受けて掲示された赤旗が解除された後の1分強。Q2進出を狙うマシンがわずかな時間でラストアタックに乗り出すも、今度はクビアトのチームメイトであるカルロス・サインツがストップして黄旗が振られ、この際に十分な減速を怠ったと疑われるマシンが続出したのだ。

不幸に見舞われたトロ・ロッソ勢が作り出した状況の中で、5名がスチュワードの審議対象となり、内2名に減速が認められたものの、残る3名には3グリッド降格とペナルティポイント2点加算という厳しい措置が取られた。スチュワードは黄旗中に減速する必要性が十分に理解されていない可能性に言及し、「ドライバーは自分たちの視界にあるものだけがフラッグの言及する危険要素だと想定すべきではない」と記している。

決勝レースではピットレーンの速度違反やポジション防衛時の動き方についての規定違反で計3名に5秒のタイム加算ペナルティが科されたほか、最終ラップで発生したメルセデスの同士打ちについてはニコ・ロズベルグに非がありとの判断が下された。

ロズベルグは10秒のタイムペナルティ(レースタイムに加算)とペナルティポイント2点を付与された上に、ダメージを負ったマシンで走行を継続したことに対して戒告処分も受けている。

以上、代表的な審議内容について触れたものの、週末全体を振り返るにこれらは一部に過ぎない。オーストリアGPの週末を通してスチュワードが審議・裁定したインシデントおよびペナルティは以下の通り。

オーストリアGP初日:7月1日(金)

【フリー走行1回目】

◆フェリペ・ナッサー(ザウバー)
違反内容:ピットレーンを時速81.8kmで走行、FIA F1スポーティングレギュレーション第22条10項に違反
裁定:ザウバーに罰金200ユーロ(約2万3,000円)

◆パスカル・ウェーレイン(マノー)
違反内容:バーチャルセーフティカー発令中にFIA ECUが設定する最少タイムを超過、FIA F1スポーティングレギュレーション第40条5項に違反
裁定:戒告(ウェーレインが2016年シーズンに戒告処分を受けるのは1度目)
裁定理由:当該ドライバーは実際よりもかなり早い段階で速度が落ちると考えていたこと、ならびに、非常に高速のストレートにいたため、適切なタイムに収めるまで長く時間がかかって驚いたことを証言した。これは当該ドライバーがこれまでに経験したことのない事態だった。結果として、戒告が適切なペナルティだとみなされた。

◆リオ・ハリアント(マノー)
違反内容:コースを外れた際に安全ではないタイミングで復帰、FIA F1スポーティングレギュレーション第27条4項に違反
裁定:戒告(ハリアントが2016年シーズンに戒告処分を受けるのは1度目)
裁定理由:イエローフラッグが振られていた際、当該ドライバーは自身が安全にコース復帰するに十分なだけRIC(ダニエル・リカルド/レッドブル)がスローだと思っていたと主張したものの、スチュワードの見解としては、今回の動きにはリスクが伴っており、ゆえに安全ではない動きだった。

◆マーカス・エリクソン(ザウバー)
違反内容:ピットエントリーの白線を超過、FIA国際スポーティングコード付属書L第4章4項(d)および12項1.1.1(i)に違反
裁定:戒告(エリクソンが2016年シーズンに戒告処分を受けるのは1度目)
裁定理由:カーナンバー9のドライバー(ERI/エリクソン)はカーナンバー3(RIC/ダニエル・リカルド:レッドブル)が近接していたためにダウンフォースを失い、ピットエントリーの白線部分でオーバーステアになったと主張した。レッドブル・レーシングのチーフエンジニアはそういった状況になる可能性を認めている。しかしながら、スチュワードの見解としては、後方にクイックラップ中のカーナンバー3がいることを把握していたカーナンバー9は、もっと早い段階で減速してピットエントリー付近のコーナーエイペックスの前にカーナンバー3を先行させるべきだった。

【フリー走行2回目】

◆キミ・ライコネン(フェラーリ)
違反内容:ピットレーンを時速81.4kmで走行、FIA F1スポーティングレギュレーション第22条10項に違反
裁定:フェラーリに罰金200ユーロ(約2万3,000円)

オーストリアGP2日目:7月2日(土)

【土曜フリー走行】

◆ジェンソン・バトン(マクラーレン)
違反内容:ピットレーンを時速83.7kmで走行、FIA F1スポーティングレギュレーション第22条10項に違反
裁定:マクラーレンに罰金400ユーロ(約4万6,000円)

◆セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)
違反内容:ギアボックス交換、FIA F1スポーティングレギュレーション第23条6項(a)に違反
裁定:5グリッド降格
裁定理由:カーナンバー5のギアボックスが6戦連続の使用期間を満たす前に交換されたため。チームはギアボックス交換を6月30日10時17分に技術代表に通達した。

◆バルテリ・ボッタス(ウィリアムズ)
審議内容:コースを外れた際に安全ではないタイミングで復帰した疑い、FIA F1スポーティングレギュレーション第27条4項に違反の容疑
裁定:おとがめなし
裁定理由:カーナンバー77のドライバーはコースを離れた後に2台の車両が自身の位置を通過するのを待ち、イエローフラッグが掲示されたのを確認したこと、および、接近しつつあったマシン(カーナンバー21/エステバン・グティエレス:ザウバー)は視野に入っていなかったことが証拠によって明らかになった。同車およびその後続(カーナンバー3/ダニエル・リカルド:レッドブル)のいずれも、回避行動を強いられることはなかった。

【予選】

◆ニコ・ロズベルグ(メルセデス)
違反内容:ギアボックス交換、FIA F1スポーティングレギュレーション第23条6項(a)に違反
裁定:5グリッド降格
裁定理由:カーナンバー6のギアボックスが6戦連続の使用期間を満たす前に交換されたため。チームはギアボックス交換を7月2日12時04分に技術代表に通達した。

◆ニコ・ヒュルケンベルグ(フォース・インディア)
審議内容:黄旗中の減速無視の疑い、FIA国際スポーティングコード付属書H第2条4項5.1(b)に違反の容疑
裁定:おとがめなし
裁定理由:当該ドライバーはダブルイエローフラッグが掲示されていたセクターで"グリーン(自己ベスト)"をマークしたものの、テレメトリーは彼がフラッグポイントへ接近する際に減速したこと、ならびに彼の速度がイエローフラッグのセクターで落ちていたことを明確に示した。

◆ジョリオン・パーマー(ルノー)
違反内容:黄旗中の減速無視、FIA国際スポーティングコード付属書H第2条4項5.1(b)に違反
裁定:3グリッド降格、およびペナルティポイント2点(12カ月有効)
裁定理由:テレメトリーは当該ドライバーがスピードをまったく落とさなかったこと、およびイエローフラッグのエリアにおいて全開で加速していたことを明確に示している。事実として当該ドライバーはコースサイドで動けなくなっているカーナンバー55(カルロス・サインツ/トロ・ロッソ)を目視することができたものの、レギュレーションではダブルイエローフラッグが掲示された際に著しい減速を義務付けている。今回はそれが実行されなかった。

スチュワードはダブルイエローフラッグ区間における大幅な減速についての必要条件が十分に理解されていないように見受けられることを指摘すると同時に、ドライバーは自分たちの視界にあるものだけがフラッグの言及する危険要素だと想定すべきではないことを注記するものである。

パーマーの累積ペナルティポイント:2ポイント(2016年7月2日時点)

◆フェリペ・ナッサー(ザウバー)
違反内容:黄旗中の減速無視、FIA国際スポーティングコード付属書H第2条4項5.1(b)に違反
裁定:3グリッド降格、およびペナルティポイント2点(12カ月有効)
裁定理由:テレメトリーは当該ドライバーがスピードをまったく落とさなかったこと、およびイエローフラッグのエリアにおいて全開で加速していたことを明確に示している。事実として当該ドライバーはコースサイドで動けなくなっているカーナンバー55(カルロス・サインツ/トロ・ロッソ)を目視することができたものの、レギュレーションではダブルイエローフラッグが掲示された際に著しい減速を義務付けている。今回はそれが実行されなかった。スチュワードは当該ドライバーが自身の違反を認める上で、オープンかつ率直であったことをここに記す。

スチュワードはダブルイエローフラッグ区間における大幅な減速についての必要条件が十分に理解されていないように見受けられることを指摘すると同時に、ドライバーは自分たちの視界にあるものだけがフラッグの言及する危険要素だと想定すべきではないことを注記するものである。

ナッサーの累積ペナルティポイント:4ポイント(2016年7月2日時点)

◆リオ・ハリアント(マノー)
違反内容:黄旗中の減速無視、FIA国際スポーティングコード付属書H第2条4項5.1(b)に違反
裁定:3グリッド降格、およびペナルティポイント2点(12カ月有効)
裁定理由:テレメトリーは当該ドライバーがスピードをまったく落とさなかったこと、およびイエローフラッグのエリアにおいて全開で加速していたことを明確に示している。事実として当該ドライバーはコースサイドで動けなくなっているカーナンバー55(カルロス・サインツ/トロ・ロッソ)を目視することができたものの、レギュレーションではダブルイエローフラッグが掲示された際に著しい減速を義務付けている。今回はそれが実行されなかった。スチュワードは当該ドライバーが自身の違反を認める上で、オープンかつ率直であったことをここに記す。

スチュワードはダブルイエローフラッグ区間における大幅な減速についての必要条件が十分に理解されていないように見受けられることを指摘すると同時に、ドライバーは自分たちの視界にあるものだけがフラッグの言及する危険要素だと想定すべきではないことを注記するものである。

ハリアントの累積ペナルティポイント:4ポイント(2016年7月2日時点)

◆ケビン・マグヌッセン(ルノー)
審議内容:黄旗中の減速無視の疑い、FIA国際スポーティングコード付属書H第2条4項5.1(b)に違反の容疑
裁定:おとがめなし
裁定理由:当該ドライバーがフラッグポイントへのアプローチで減速したこと、ならびにイエローフラッグ区間で彼のスピードが落ちていたことがテレメトリーで示された。

オーストリアGP決勝:7月3日(日)

◆ダニール・クビアト(トロ・ロッソ)
スチュワードは予選でアクシデントに関与したカーナンバー26の再車検の要請をトロ・ロッソから受けた。FIA F1スポーティングレギュレーション第25条5項に基づき、スチュワードは7月3日のレース前にこれを実施可能であることを承諾した。

◆ダニール・クビアト(トロ・ロッソ)
違反内容:サバイバルセルおよびギアボックスを交換、FIA F1スポーティングレギュレーション第23条2項ならびに第23条6項(a)に違反
裁定:ピットレーンスタート
裁定理由:サバイバルセルを交換したため、当該競技者はピットレーンからのスタートを義務付けられるとともに、FIA F1スポーティングレギュレーション第36条2項に規定される手順に従わなければならない。6戦連続で使用する前にギアボックスを交換したことに対するペナルティ(5グリッド降格)はピットレーンスタートの義務によって無効となる。

【決勝】

◆ケビン・マグヌッセン(ルノー)
違反内容:ポジション防衛の際に2回以上にわたって方向転換、FIA F1スポーティングレギュレーション第27条第6項に違反
裁定:5秒のタイムペナルティ
裁定理由:カーナンバー20のドライバー(MAG/マグヌッセン)はレーシングラインから2回以上にわたって方向転換した。重大な違反ではないとみなされたため、より軽度のペナルティ(5秒)が科された。

◆ニコ・ヒュルケンベルグ(フォース・インディア)
違反内容:ピットレーンを時速82.6kmで走行、FIA F1スポーティングレギュレーション第22条10項に違反
裁定:5秒のタイムペナルティ

◆ロマン・グロージャン(ハースF1)
違反内容:ピットレーンを時速81.2kmで走行、FIA F1スポーティングレギュレーション第22条10項に違反
裁定:5秒のタイムペナルティ

◆ニコ・ロズベルグ(メルセデス)
違反内容:ターン2でカーナンバー44(ルイス・ハミルトン/メルセデス)と接触、FIA F1スポーティングレギュレーション第38条1項に違反
裁定:FIA F1スポーティングレギュレーション第38条3項に則ってレース後に10秒のタイムペナルティを適用(レースタイムに10秒加算)、およびペナルティポイント2点(12カ月有効)
裁定理由: 両ドライバーが提出した広範囲におよぶ証拠ならびにビデオ、テレメトリーデータに注目した結果、カーナンバー44(HAM/ハミルトン)がカーナンバー6(ROS/ロズベルグ)の前にいたこと、すなわち、完全に並行している以上の状態であったことが明らかであり、この接触の結果がなければカーナンバー44のドライバーは当該コーナー(ターン2)のコース上で方向転換できたはずである。カーナンバー6はカーナンバー44に"レースする余地"を与えておらず、それ故に接触の責任はカーナンバー6にあった。

ロズベルグの累積ペナルティポイント:2ポイント(2016年7月3日時点)

◆ニコ・ロズベルグ(メルセデス)
違反内容:マシンにダメージを負い、フロントウイングが脱落してデブリが拡散する状態で走行を継続、FIA国際スポーティングコード第12条1項1(h)に違反
裁定:戒告 (ロズベルグが2016年シーズンに戒告処分を受けるのは1度目)
裁定理由: F1スポーティングレギュレーション22条11項はメカニカル面に深刻な困難を抱えたドライバーが安全に離れられる最も早い段階でコースを離脱することを義務付けている。われわれ(スチュワード)は情状酌量すべき事情、およびカーナンバー6のドライバーが大幅に減速し、他のドライバーやマシンに対するリスクを軽減しようとしていたことに配慮するものである。

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