オーストリアGP

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「クラッシュしたのは僕じゃない」

M.S.
2016年7月5日
© Mark Sutton/Sutton Images
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ファイナルラップでメルセデスドライバーが同士打ちするという劇的な展開となった2016年オーストリアGPから『ESPN』が最も興味深い無線メッセージを厳選。

「高速コーナーにあるイエローの縁石、すごく危ないと思うんだけど」

金曜フリー走行でいち早く縁石への懸念を口にしたのはレッドブルのマックス・フェルスタッペンだった。この後、他のドライバーたちもフェルスタッペンと同じ危惧を抱くことになる。

「雨は降ってないし、暗い雲さえ見えない。大丈夫でしょ」

"F1でやることリスト"に天気予報のチェックなど不要とばかりに言い放ったフェルナンド・アロンソ(マクラーレン)だが、Q2終盤で雨に見舞われた結果、予選トップ10入りは果たせなかった。

「こいつはすごいぞ! メガラップ!」

12番グリッドを獲得したパスカル・ウェーレインの見事な走りを祝福するマノー。ウェーレインは決勝日にさらなる成果を上げ、2014年モナコGP以来の得点をチームに持ち帰っている。

「ねえ、やめた方がいいかも。すごいバイブレーションだ」

ニコ・ヒュルケンベルグ(フォース・インディア)は"The Beach Boys(ザ・ビーチ・ボーイズ)"の往年の名曲について考えていた、わけではなく、新しいタイヤへの交換を求めていた。フロントローからスタートしたヒュルケンベルグだが、レースは崩壊の一途をたどっている。

© Andre/Sutton
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「いいぞジェンソン、よくやった! 次はナッサーだ!」

数年前を思わせる走りでフィールドを駆け上がるジェンソン・バトンに、マクラーレンはペースを維持して次なるターゲットであるフェリペ・ナッサー(ザウバー)を仕留めるよう促した。バトンは最終的に6位入賞を果たしている。

「なんで僕よりも柔らかいタイヤなの?」

最後のピットストップでソフトタイヤに履き替えたルイス・ハミルトンは、なぜ僚友ニコ・ロズベルグにスーパーソフトを装着したのかチームに尋ねた。ハミルトンはロズベルグにもうソフトタイヤが残されていないことを忘れていたのだ。

「OK、ルイス。できるだけギャップをつめろ。ハマータイムだ」

しばらく耳にしていなかったメッセージだ。ハミルトンのレースエンジニアであるピーター・ボニントンは、ハミルトンにロズベルグとのギャップを縮めるよう要請。後に何が起こるか彼が知っていれば、沈黙を保っていたかもしれない。

「よしルイス、上出来だ。求めていたようなレースじゃないが、良い結果だ」
「ああ、僕はアウトサイドだった。クラッシュしたのは僕じゃない」

いつもなら勝利に大喝采を送ったはずのボニントンだが、このときばかりは違った。ハミルトンの方も浮かれることなく、同士打ちの原因を作ったのはもう一台のメルセデスだと断固主張している。

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