オーストラリアGP

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  • フェルナンド・アロンソのクラッシュ

ファインダー越しのF1 - 2016年オーストラリアGP

Mark Sutton / Jim
2016年3月29日
© Kalisz/Sutton
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F1フォトグラファーのマーク・サットンが各グランプリで撮影した特選画像を紹介する『ESPN』独占コラム!

2016年シーズン第1戦オーストラリアGPでマクラーレンのフェルナンド・アロンソが大クラッシュを喫した際、2方向からその場面をカメラに収めたサットンクルー。その時の様子やグランプリ撮影に挑むにあたっての"ストラテジー"を語った。

【マーク・サットン 2016年3月28日】

写真撮影はちょっとした運と綿密な計画の組み合わせが好機をもたらすことがある。オーストラリアでフェルナンド・アロンソの衝撃的なクラッシュが発生する直前、カメラマンの1人はレンズを変えるため身をかがめていた。ターン1から別のショットを撮ろうと、事故の1周前にはもう1人のカメラマンが現場となったコーナーに移動している。その結果、アロンソの事故が起きた時、2人のカメラマンが完ぺきなポジショニングを取っていた。ターン4にかけてのアプローチに向かっていたのがダニエル・カリシュ、ターン4出口で待ち構えていたのがジェームズ・ガスペロッティ。チームで組んだ撮影プランに沿って2人はそれぞれ別の角度からシャッターを切った。クラッシュシーンを伝えた世界中のメディアでこの2人の写真が多く使われている。

クラッシュ

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写真をご覧の通り、ダニエルはこのタイプの撮影に向いたレンズを使っていない。彼はコーナーを抜けてくるマシンの別画像をとらえようとしていたのだ。使用していたのは500mmレンズ。それ故に画像のフレームがタイトになっている。当然ながら、こういった事故が起きた際にカメラのレンズを交換している暇などない。だからその時に手にしているカメラとレンズを使ってシャッターを切るしかないのだ。とはいえ、接触直後からグラベルに向かってマシンが回転する様子を連続してとらえたことは見事な仕事と言えるだろう。最初の頃のショットはマクラーレンマシンの周囲に吹き飛ぶデブリの様子がまざまざと見て取れ、タイトなレンズが実に効果的な役割を果たしている。

事故直後

© Gasperotti/Sutton
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これらの写真も見事だ。今回のクラッシュを象徴する画像であり、シーズンの中でも最も記憶に残るシーンとなるだろう。マクラーレンマシンがウオールに激突し、アロンソが這い出てくる。ひと時、壁にもたれて何が起きたか状況を把握しようとしている。事故直後にこの中の1枚、アロンソがマシンから這い出して座り込んでいる場面を『Twitter(ツイッター)』に投稿したところ、瞬く間にリツイートされ、拡散されていった。間違いなく、多くの人々の記憶に刻まれた1枚だ。

このショットが印象的なのにはいくつか理由がある。まず、こんな風にしてドライバーがマシンの下に座り込むシーンを見るのはめったにないこと。とはいえ、F1マシンがいかに安全性に優れ、アロンソが脱出できたことがどれだけ幸運だったかを思い起こさせる場面でもある。いったんマシンの下から抜けだしたアロンソが膝に手をついて一息入れている様子がまさにその証拠だ。

ここでも同様に、ジェームズが500mmレンズを使って撮影した。おそらく、こういったシーンを撮るには小さすぎるレンズだが、それでも記憶に残るシーンをしっかりととらえている。

綿密な計画

© Sutton Images
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最高の写真を撮るには常に運の要素も関わってくる。そう、メルボルンのわれわれのように。別の日には重大なシーンを逃すこともあるだろう。それでも、すべてを網羅できるように計画しなければならない。誰がスタートシーンを撮り、毎年インシデントが起きる傾向にあるターン3やターン4には誰がとどまって粘るのか。確かに、その一瞬を撮影できたカメラマンがラッキーだったと言うのは容易い。だが、私たちの取り組みの評価として公平とは言えない。

カメラマンの数は限られているため、レース前にはラップごとの計画を慎重に検討する必要がある。上の画像がその計画書だ。ジェームズとダニエルはフリーランスのカメラマンであり、メルボルンのレースを手伝ってくれた。今年中に再度、加勢してもらう予定だ。彼らは自分の名前入りの写真を生かす場を得られ、私たちはサーキットの多くの場所にカメラマンを配置できる。つまり、われわれにとっても彼らにとっても、お互いに利益があるのだ。

Sutton Images | Twitter

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