オーストラリアGP

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「なのに抜かせてくれない。ほんとふざけてる!」

M.S.
2016年3月22日
© Andre/Sutton
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ピットウオールからドライバーへの無線メッセージが規制されたところで、メルボルンで色褪せることのない名文句・珍文句が飛び交ったことに変わりはない。2016年開幕戦オーストラリアGPから『ESPN』おすすめのメッセージをどうぞ。

「こいつを抜けないんだよ」

さんたんたるスタートを切ったルイス・ハミルトン(メルセデス)はマックス・フェルスタッペン(トロ・ロッソ)の後ろで不満をつのらせていた。オーバーテイクの機会がほとんどないサーキットで、ハミルトンは戦略の切り替えを考え始める。

「何かあった。どこか壊れた」

フェラーリのメカニックにあてられたキミ・ライコネン流のあまりにも簡潔なトラブル報告は、誰にも真似できないだろう。このあとピットボックスに戻ったライコネン車のエアボックスからは、炎が噴き出した。

「アラームオフってどうやるの?」
「すまないルイス。こちらからは教えられない」

レースリスタート前に今季はこれからも頻繁に聞くことになるであろう"自分でやれ"のメッセージを受け取ったハミルトンは、ピットウオールからの無線メッセージ規制の範囲を思い知ることになった。

「何とかしなきゃ!」

僚友カルロス・サインツの後ろで苦戦し、近代F1において同一のマシンをパスすることの難しさに直面したフェルスタッペン。サインツの前にはルノーのジョリオン・パーマーがいて、フェルスタッペンと同じことをチームに求めていた。

「カルロス、プッシュだ!」
「やってるさ。プッシュって言わないで!」
「いいとも。なら次の周には入れ替えだな」

そのサインツは、チームからあまりソフトとは言えない尻叩きを受けていた。

「僕が引き離すってずっと分かってるんだ。なのに抜かせてくれない。ほんとふざけてる!」

マックス、ティーンエイジャーの人生が順風満帆なわけないだろう? サインツをどかせないトロ・ロッソに対し、フェルスタッペンの鼻息は荒い。

「くそっ! みんなごめん」

ハミルトンを追いかけている際、ラップ終盤でミスを犯してしまったセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)は思わず毒づいた。2位をかけたスリリングなバトルのチャンスはこのミスで失われている。

「ドライバーズ・オブ・ザ・デーはもらえないだろうが、彼こそブツクサ・オブ・ザ・デー。そしてこれはセーブ・オブ・ザ・デーだ」

少し脇道に逸れてみよう。これは『Sky Sports(スカイ・スポーツ)』のコメンテーターであるマーティン・ブランドルの発言。繰り返されるフェルスタッペンの不平と、同ドライバーがレース終盤にターン12でスピンした際のリカバリーに触れたものだ。

「なんでガレージに行くのが僕の方が先じゃなかったのか分からない。信じられないって」

チェッカーフラッグを受けても若きフェルスタッペンの怒りは続く。自分の方が前にいたのにサインツの戦略の方が良かったのはなぜか、疑問を爆発させていた。

「みんな聞いて。これは僕らの勝利だ! 僕らの勝利だよ! 信じられない」

光るドライビングでデビュー戦だったハースF1チームに6位のリザルトを届けたロマン・グロージャンは、ドライバー・オブ・ザ・デー最初の受賞者になった。

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