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波乱のレースでライコネンが勝利!

M.S.
2012年11月5日
復帰後初優勝を果たしたライコネン © Getty Images
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ヤス島に落ちる夕日が空を染めつつあるヤス・マリーナ・サーキットにて、4日(日)日本時間22時から2012年FIA F1世界選手権第18戦アブダビGP決勝が行われた。

サーキットは全長5.554km、決勝レースは55周で行われる。DRSゾーンはターン7からターン8にかけてとターン10からターン11までの2カ所のストレートに設定された。ピレリはこのサーキットにミディアムコンパウンド(プライム)とソフトコンパウンド(オプション)を用意している。

今季のタイトル争いの主役はセバスチャン・ベッテル(レッドブル)とそれを13ポイント差で追うフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)だが、アブダビの予選で主役をはったのは1分40秒630をたたき出したマクラーレンのルイス・ハミルトンだった。

ベッテルは3番手タイムを記録して7番手タイムのアロンソに対して優位に立ったかに見えたが、Q3の最後にストップ。自力で戻ることができなかったベッテルにはスチュワードによる審議の結果、ストップした理由は認められながらもサンプルとして提出するのに十分な燃料を積んでいなかったことがレギュレーションに違反するとの裁定が下って予選結果から除外され、ピットレーンからのスタートとなった。

このペナルティによって4番手パストール・マルドナド(ウィリアムズ)以降の予選順位とスターティンググリッドが1つずつ繰り上がっている。

スタート時のタイヤとしてプライムを選んだのは13番グリッドのミハエル・シューマッハ(メルセデス)、14番グリッドのブルーノ・セナ(ウィリアムズ)、そしてピットレーンスタートのベッテル。

レーススタート時の天候は晴れ、気温30度、路面温度36度のドライコンディションだった。フォーメーションラップが始まった際にHRTのペドロ・デ・ラ・ロサが動けず、ピットレーンに運ばれてそこからのスタートとなった。

シグナルオフと同時に各車が一斉にグリッドを離れると、2番手スタートのマーク・ウェバー(レッドブル)が遅れを取る一方、4番グリッドだったキミ・ライコネン(ロータス)が目覚しいスタートを決めて2番手に浮上する。

ジェンソン・バトン(マクラーレン)をかわして5番手に上がったアロンソはターン11でウェバーをも料理して4番手につけた。

隊列の中ほどではフォース・インディアのニコ・ヒュルケンベルグとポール・ディ・レスタがチームメイト同士で接触し、ブルーノもそれに巻き込まれる。開始早々にマシンを止めたヒュルケンベルグはレース後の審議対象になっている。

また、ロマン・グロージャン(ロータス)とニコ・ロズベルグ(メルセデス)もポジション争いの中で接触して緊急ピットインを実施し、最後尾でコースに戻った。

1周目の終わりには15番手スタートの小林可夢偉(ザウバー)が8番手にポジションを上げ、ハミルトン、ライコネン、マルドナド、アロンソ、ウェバー、バトン、フェリペ・マッサ(フェラーリ)、可夢偉、セルジオ・ペレス(ザウバー)、シューマッハがトップ10を走っている。

スタートからしばらくはハミルトンのペースが伸びず、ライコネンがぴったりと後ろにつけていたものの、3周目からその差は徐々に開き始めた。ベッテルはブルーノと接触してフロントウイングにダメージを負うも、そのままコースにとどまって最後尾から1台ずつ先行車を片づけていく。

6周目、可夢偉は僚友のペレスに先行されて9番手に下がった。レースの進行と共に上位のマシン間隔が開きつつあった9周目、後方に下がっていたロズベルグと20番手ナレイン・カーティケヤン(HRT)が激しくクラッシュし、セーフテイカーが出動する。

カーティケヤンは接触の直前にマシントラブルに見舞われたか失速しており、後ろからパスしようと近づいていたロズベルグがカーティケヤンのマシンにぶつかって飛び越えるような動きを見せた。大きなクラッシュだったものの、2人に目立ったケガはない模様だ。

このセーフティカーピリオドで13番手を走行していたジャン-エリック・ベルヌ(トロ・ロッソ)がピット作業を行い、後方にいたグロージャンもそれにならっている。

夜が近づくコース上でデブリの撤去作業が続けられていた13周目、タイヤを温めようとマシンを振っていたベッテルがコース脇のマーカーに激突し、フロントウイングに大きなダメージを負ってしまった。緊急ピットストップを行ったベッテルは再び最後方からの戦いを開始する。

15周目にレースは再開。ハミルトンとマルドナドが加速したその後ろではウェバーがアロンソに襲いかかった。しかしアロンソはこれを抑え、前を行くマルドナドを追いかけ始める。リスタート直後にポイント圏内を走っていたのはハミルトン、ライコネン、アロンソ、ウェバー、バトン、マッサ、ペレス、可夢偉、シューマッハ、ダニエル・リカルド(トロ・ロッソ)だった。

その間にも17番手にまで戻ってきたベッテルが躍進を続け、19周目には15番手に上がっている。

20周目、何と先頭を行くハミルトンが突如スローダウン。パワーを失った様子のハミルトンの横をライバルたちが次々と通り抜けていき、ハミルトンはついにストップしてしまった。これでラップリーダーはライコネンに変わり、その直後にアロンソがマルドナドの前に出てライコネン、アロンソ、マルドナドのトップ3となった。

24周目にはマルドナドに並びかけたウェバーが軽く接触し、スピンを喫する。2人の動きについてはスチュワードの審議が行われたものの、お咎めなしの裁定が下った。

続く周回でバトンがマルドナドの前に出て、上位はライコネン、アロンソ、バトンのオーダーに。一方、着実に隊列をかけ登ってきたベッテルはすでにポイント圏内に入っており、26周目にはマッサがウェバーとの攻防の中でスピンを喫してポジションを下げたこともあって7番手を走っていた。マッサとウェバーも審議対象となったが、こちらもとりたててペナルティは科されていない。

2番手アロンソはライコネンを追いかけるものの、速いペースを維持するライコネンとの差はじりじりと開いていく。上位勢の多くは一度もタイヤ交換をしていない状態だったが、29周目にはアロンソがピットイン。続いてバトンとマルドナドが30周目、ペレスとウェバーが31周目、続いてライコネンがピットへと向かった。

序盤にピットストップを終えていたベッテルを含め、全員がピットストップを行った時点でライコネン、ベッテル、アロンソ、バトン、グロージャン、ポール・ディ・レスタ(フォース・インディア)、ペレス、ウェバー、マルドナド、可夢偉がトップ10に名を連ねていた。

37周目にベッテルが2度目のピットインを実施し、4番手でコースに戻る。その直後、ベッテルの後方ではディ・レスタに仕掛けてコースオフを喫したペレスがコースに戻った際にグロージャンに接触し、後ろから来たウェバーがグロージャンに突っ込むという多重クラッシュが発生。グロージャンとウェバーはその場でマシンを止めてしまった。

4人がからんだこの一件に対する審議の結果、ペレスには後になってストップ・アンド・ゴーのペナルティが科されている。

これで2回目のセーフティカー出動となり、ライコネンとアロンソの間の8.7秒差や、15秒ほどあった3番手バトンとベッテルの差が一気に縮まることとなる。セーフティカー中にマルシャのシャルル・ピックがリタイアし、44周目にレースが再開されると、残る17名中でも最もフレッシュなタイヤを履くベッテルがバトンへのアタックを開始した。

先頭を行くライコネンはセーフティカーが戻った直後のラップからファステストラップを刻んで後続を引き離しにかかる。サバイバルレースをここまで生き延びて得点圏を走っていたのはライコネン、アロンソ、バトン、ベッテル、マルドナド、可夢偉、マッサ、ブルーノ、ディ・レスタ、リカルドの10名だった。

ベッテルは常に1秒以内でバトンを追いかけ続けるものの、バトンは隙のない走りで先行を許さない。アロンソがファステストラップを連発してライコネンに近づくと、それに応じてライコネンもペースを上げた。

ワールドチャンピオン4人がそれぞれに迫力ある戦いを繰り広げ、残り3周でついにベッテルがバトンをオーバーテイク。54周目にはアロンソがライコネンのDRS圏内に突入するも、ライコネンはファイナルラップに入ったところでアロンソを1.2秒後方に突き放した。

波瀾万丈の55周の末、ライコネンが今季にF1復帰を果たしてから初のトップチェッカーを受け、2位アロンソに次いで最後方からスタートしたベッテルが3位表彰台にこぎつけている。

4位以下はバトン、マルドナド、可夢偉、マッサ、ブルーノ、ディ・レスタ、リカルドまでがポイントを獲得。11位のシューマッハからベルヌ、ヘイキ・コバライネン(ケータハム)、ティモ・グロック(マルシャ)、ペレス、ヴィタリー・ペトロフ(ケータハム)、デ・ラ・ロサが完走を果たした。

今季のラスト2戦は南北アメリカ大陸をめぐる連戦で行われる。次戦はテキサスで初開催される第19戦US GP。最初のセッションである金曜フリー走行1回目は日本時間17日(土)深夜0時にスタートする予定だ。

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