
データサーバーのクラッシュによって、アブダビGPで19周目までドラッグ・リダクション・システム(DRS)が使えないというハプニングが起きた。
リアウイングのフラップを開くこのオーバーテイク補助装置をドライバーたちが使えるのは、コース上の特定の場所に限られており、なおかつ検知ポイントで前のマシンの1秒以内に入った場合となる。通常はスタートから3周目で使用が可能となるのだが、今回の場合はしばらく使用できないままグランプリが進んでしまい、ただでさえ抜くのが困難なサーキットで、さらにオーバーテイクの機会が減ってしまった。
長時間DRSが使えなかったことについてレース後に聞かれたルノーのダニエル・リカルドは次のようにぼやいている。「おかげでさらに退屈になっちゃったよ。一部のコースでDRSは絶対に必要だ。ここがその1つ!」
FIAレースディレクターのマイケル・マシによると、サーバーのクラッシュが発覚してすぐにDRSを使用不可にしたという。そのため、ドライバーたちは手動でアクティベートすることもできなかった。
「見ての通り、タイミングは問題なく機能していたのだが、(サーバーの)クラッシュが起きていたため、直ちに使用不可とした」とマシはレース後に説明している。「バックアップが完了しただけでなく、バックアップが作動して正確なデータが利用できると100%確認できるまで待ち、それから再度使用可能にした」
「FIAとF1グループの間で協力してさまざまなチェックを行い、全てが申し分なく動くことを確認する必要がある。その確信が持てるまでは、危険を冒すつもりはなかった」
ドライバーやチームにデバイスの権限を任せていたらどうなっていたか、確信は持てないとマシは言う。
「誰でもご自由にとはならなかっただろうし、正直なところ、その具体的な影響は考えたくもない。有効な安全策は全体に使用を禁じることだった」
「確実にバックアップできて使えること、コンディションが安定し、データのやりとりがきちんと正確にできていることを確認した。それについて満足できる状態になってから再度アクティベートし、DRSを許可した」
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