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ハミルトン優勝で王者決定!

M.S.
2014年11月24日
トップチェッカーを受けたハミルトン © Getty Images
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煌めく夕日が地平線へと傾き、夕闇が訪れようとしているヤス・マリーナ・サーキットにて今季最終戦の火蓋が切られ、23日(日)日本時間22時から2014年FIA F1世界選手権第19戦アブダビGP決勝が実施された。

前日に行われた予選では、17ポイント差を逆転してのタイトル奪取を狙うニコ・ロズベルグ(メルセデス)がポールポジションを獲得し、チャンピオンシップリーダーのルイス・ハミルトン(同)が2番手に入った。ハミルトンは1位か2位で王座確定、逆にロズベルグは6位以下になると選手権制覇の望みが消える。

予選16番手のロマン・グロージャン(ロータス)は3つのエンジンコンポーネントで今季6基目を投入したために20グリッド降格のペナルティが科され、未消化分はレース中のドライブスルーペナルティという形で適用された。

また、レッドブルの2台はフロントウイングに違法なたわみがあったとして予選結果をはく奪された。予選5番手のセバスチャン・ベッテルと予選6番手のダニエル・リカルドがそれぞれウイングの交換を行ってピットレーンからスタートする。以上の降格分の影響から、予選19番手の小林可夢偉(ケータハム)は15番グリッドへ。可夢偉のチームメイトを務めるのは、これがデビュー戦となるウィル・スティーブンス(16番グリッド)だ。

サーキットは1周5.554km、決勝レースは55 周で行われる。トワイライトレースの今週末にはソフトコンパウンド(プライム)とスーパーソフトコンパウンド(オプション)の2種類のドライタイヤが持ち込まれた。スタート時の天候は晴れ、気温26度、路面温度33度のドライコンディションだった。

スタート時のタイヤにソフトを選んだのは9番グリッドのケビン・マグヌッセン(マクラーレン)、10番グリッドのジャン-エリック・ベルヌ、11番グリッドのセルジオ・ペレス、12番グリッドのニコ・ヒュルケンベルグ(ともにフォース・インディア)と、ピットレーンのレッドブル勢だった。

今季最後のシグナルが消えると、鮮やかなスタートダッシュを決めたハミルトンが出遅れたロズベルグをかわしていく。3番グリッドのバルテリ・ボッタス(ウィリアムズ)も大きく遅れをとり、オープニングラップが終わった段階でのトップ10はハミルトン、ロズベルグ、フェリペ・マッサ(ウィリアムズ)、ジェンソン・バトン(マクラーレン)、キミ・ライコネン、フェルナンド・アロンソ(ともにフェラーリ)、ダニール・クビアト(トロ・ロッソ)、ボッタス、ヒュルケンベルグ、ペレスとなった。

グロージャンはこの時点でドライブスルーペナルティを消化している。

ハミルトンはロズベルグとの差を徐々に広げながら先頭をひた走る。5周目前後からピットインの動きがさかんになるも、メルセデスとウィリアムズは周回を続け、4番手に上がったボッタスの後ろにプライムスタートのヒュルケンベルグ、ペレス、ベルヌ、リカルド、マグヌッセン、ベッテルが続いた。

10周目が終わったところでハミルトンとボッタスがピットへ。ロズベルグにはプッシュの指示が飛ぶが、次のラップにタイヤ交換をこなしたロズベルグが戻った位置は、やはりハミルトンの後ろだった。

これで4番手に上がったヒュルケンベルグだが、1周目にマグヌッセンをコースオフさせたとして5秒のストップ・アンド・ゴーペナルティが発令されている。14周目に入ったところでマッサがピットインし、再びハミルトンとロズベルグが隊列を率いる形になった。

16周目にヒュルケンベルグと可夢偉が初回のピット作業を行い、ヒュルケンベルグはペナルティ分をピットボックスで静止した。同じ周回に10番手クビアトがターン21でストップし、そのままレースを終えた。

ロズベルグは何とか戴冠の希望をつなごうとファステストラップを塗り替えるが、トップのハミルトンがそれに反応して2.5秒ほどのギャップをキープする。2人の7秒後方にマッサ、そこからさらに17秒後方にリカルドという布陣でレースは中盤を迎えた。

日が沈んだアブダビの空は青から濃紺へと変わっていく。隊列の前方ではロズベルグがタイヤをロックさせてコースオフするも、体勢を立て直してハミルトンの4秒後ろに戻る。しかし、ロズベルグはERS(エネルギー回生システム)のトラブルに見舞われ、見る間にペースを落としていった。

ハミルトンより3秒遅いペースで苦しい戦いを強いられたロズベルグは28周目にマッサにパスされ、3番手に下がる。2回目のタイヤ交換がさかんになってきたこのタイミングで、17番手を走っていたパストール・マルドナド(ロータス)のマシンリア部分から白煙が吹き出し、続いて大きく炎が上がった。

マルドナドはコース脇にマシンを止めたが、セーフティカー出動には至らず、イエローフラッグが振られる間に撤去作業が完了した。

31周目の最後にラップリーダーのハミルトンが2回目のピット作業を終え、コース復帰後はパワー不足に苦しむ僚友をかわしてマッサの後ろ、2番手につけた。

ロズベルグはボッタスにも抜かれて4番手に下がり、35周目に2度目のタイヤ交換へ向う。次の周回でボッタスがピットインし、得点圏内のオーダーはマッサ、ハミルトン、リカルド、ボッタス、ペレス、ヒュルケンベルグ、ロズベルグ、ベッテル、バトン、アロンソとなった。

周囲より明らかにペースの遅いロズベルグはずるずるとポジションを失い、40周目には8番手に。ロズベルグは問題がさらに悪化したと無線で訴えている。

この頃、ソフトを履いている周囲とは異なる戦略でスーパーソフトタイヤを装着したヒュルケンベルグがポイント圏外から次々とポジションを上げ、ライコネンやアロンソらを抜いてロズベルグの後ろ、8番手につけた。チームメイトのペレスも42周目にスーパーソフトタイヤに交換し、12番手から隊列を駆け上がっていく。

暫定ラップリーダーだったマッサも44周目にソフトからスーパーソフトへ交換、ファステストラップを塗り替えて9秒以上前のハミルトンを追いかけ始める。また、5番手を走行していたベッテルも47周目にスーパーソフトタイヤに履き替え、そのチームメイトである3番手リカルドも翌周に同じ作業を完了した。

2戦の欠場を経て最終戦の舞台に戻ってきたケータハムのために懸命にレースしていた可夢偉だが、45周目にピットで今季の戦いに幕を引いた。

マッサは確実にハミルトンとのギャップを削っていくが、ハミルトンもそれに応じてペースアップする。対するロズベルグはスーパーソフトを履いたライバルたちに為すすべもなく抜かれていき、ポジションは13番手。上位勢が1分45秒から46秒台で走行している状況で2分台までタイムを落としていた。

2周を残した段階でロズベルグにはピットインの指示が飛ぶが、本人は最後までレースすることを希望し、3秒差で走行するハミルトンとマッサに道を譲りながらも走り続ける。

最後はマッサを2.5秒後方にとどめたハミルトンが、優勝という最高の形で自身2度目の選手権制覇を達成した。マッサとボッタスのウィリアムズコンビが2位と3位で表彰台に上っている。

4位リカルドからバトン、ヒュルケンベルグ、ペレス、ベッテル、アロンソ、ライコネンまでがポイントを獲得。11位のマグヌッセン以降、ベルヌ、グロージャン、そして14位に下がったロズベルグとエステバン・グティエレス、エイドリアン・スーティル(ともにザウバー)、スティーブンスが完走を果たした。

これで2014年の戦いはすべて終了。2015年のチャンピオンシップは3月にオーストラリアで開幕する予定だ。Hondaがマクラーレンとのタッグで戦線に復帰する来季のF1世界選手権もどうぞお楽しみに!

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